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院長:佐藤和義
住所:〒247-0056
鎌倉市大船1-23-31 サトウビル1F
TEL:0467-45-6700
アクセス:JR東海道線・横須賀線・根岸線 大船駅東口 徒歩1分
駐車場(有料駐車場40分間サービス券発行)

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2年前に腱性マレットフィンガーで加療した65才男性の経過

2021年08月01日|マレットフィンガー

令和1年5月9日に商品カートンへ右手薬指をぶつけてしまい右手第4指腱性

マレッフィンガー(マレット指)を負傷され、翌日から当院で治療された男性

(負傷当時63才)が、2年ぶりに首から上肢に至る痛みで来院されました。


下記が当院来院時、負傷翌日(令和1年5月10日)の外観です。

 

DSC08731.JPG

 

下記が当院治癒日 令和1年10月31日(負傷後176日)の外観です。

 

DSC09543.JPG

 

手第4指DIP関節 伸展-3度  左手第4指DIP関節 伸展0度

 

DSC09545.JPG

 

DSC09544.JPG

 

右手第4指DIP関節 最大屈曲80度 左手第4指DIP関節 最大屈曲90度 

わずかに屈曲制限が残っておりましたが、今後も改善されることをお伝えして

令和1年10月31日で治癒としました。

 

令和1年10月31日最終来院時

 

(負傷後176日:約6ヶ月間) 通院回数:21日 

 

 

下記は令和3年6月15日(負傷から約2年1ヶ月)の来院時外観です。

 

DSC02128.JPG

 

右手第4指DIP関節 伸展0度 手第4指DIP関節 伸展0度

 

DSC02129.JPG

 

DSC02130.JPG

 

右手第4指DIP関節 最大屈曲85度 左手第4指DIP関節 最大屈曲90度

 

約2年で屈曲制限がわずかになっていました。MP関節伸展位でも、右手第4

の指先が充分に手掌へ着く状態まで改善されております。

正直なところ、年齢的にもう少し関節可動域制限は残存すると思っておりまし

たが、幸い関節の可動域が広く、ピアノ演奏などで指を繊細に使われることや

ピアノ演奏を再開したいという強い意欲もお持ちだったので、経過良く完治され

たのではないかと思います。

 

ご趣味のピアノ演奏や日常生活上も全く支障がないと言っていただき、とても

嬉しく思いました。 

 

 

さて、腱性マレットフィンガーを負傷された患者さんが

 

総合病院や整形外科を受診された場合、担当医からは

 

「完治はしないし、治るか治らないかは5分5分ですね」

 

と言われた方がとても多い傾向です。

 

 

「以前、私もマレットフィンガーをしたけど治らなかったけれどね」

 

と担当医から治らなかった指を見せられた患者さんもおります。

 

 

年配者の方の場合ですと、

 

治らないから固定もやめておきますか?」と言われた方がおり、

 

積極的に治療(固定)をしない先生もおります。

 

それは、ある程度の高齢になると若い方に比べ装具などによる長期間

 

の固定で、関節可動域の制限が生じてしまう可能性が高くなるからです

 

 ⇒固定の圧迫で損傷した組織が圧壊されて、時にはPIP関節を含む固定

 

   をしてしまうと、負傷されていないPIP関節にも関節拘縮を生じてしまい

 

   浮腫や関節の可動域制限という後遺障害が残ってしまいま

 

しかしながら、当院のように患部の固定のみにはせず、患部に対しての

 

物理療法(超音波バスによる温熱療法)等を同時に施行すれば、上記の

 

患者さんのように可動域制限はわずかしか残りません。

 

また、固定期間が短縮され、治療期間も短かくて済みます

 

 

腱性マレットフィンガーは治らない疾患では有りません!

 

年齢により治療期間は異なりますが、腱性マレットフィンガーは、

 

適切な治療をすれば概ね完治または日常生活に支障の無い

 

関節可動域の改善が可能な疾患です

 

 

《腱性マレットフィンガーの治療で重要な点は下記になります》

 

適切な固定具を使用する。

 

 負傷した患部を圧迫しない固定具を使用する

   当院では患者さんの指に合わせたプラスチックシーネを作成し、

   固定期間中にはプラスチックシーネを洗浄してから再固定します。  

 

② 適切な全日の固定期間を守る。(約6~8週間)

 

 ⇒時折、負傷から5週間ほどで第一関節が伸びたからと、固定具を除去

   されてしまい、再屈曲してしまった患者さんを多数拝見しました。当院

  では経過によって、4~6週間で入浴が可能になる固定具(プラスチック

   シーネ)を使用し、概ね6週間目から夜間シーネ固定にしております。

 

③ 全日の固定除去後は再屈曲を防ぐために日中はテーピング固定を行う。

 

 ⇒来院される患者さんの多くは、6~8週間後の全日の固定後に夜間固定

    を指示されますが、日中に手を頻繁に使用される職業の方の場合には、

   日中のテーピング固定がないとDIP関節が再屈曲してしまいます

    当院では6週間の全日固定後でも、アクションテックスという低伸縮性

   テーピングを日中に使用し、再屈曲を防止しています。DIP関節の伸展

    維持が安定してから日中のテーピングを除去しています。

 

④ 4~12週間以上の夜間固定。

 

 第一関節の伸展が安定するにはかなりの日数を要します

   第一関節の伸展の維持が安定するまでは、上記の期間は面倒でも

      夜間固定を継続することが大切です。

  

⑤ 早期からの物理療法を施行。

    ⇒殆どの総合病院や整形外科では固定期間中の物理療法が有りません。

 

   当院では負傷後の早期から下記の超音波バスによる物理療法を施行し、

   浮腫を防ぎ、組織の修復を早めています。

   固定期間が短縮され、DIP関節の屈伸制限の改善も早まります。

 

DSC00254.JPG

 

以上のことから、当院に負傷後の初期から通院された患者さんは、完治または

日常生活に支障のない関節可動域の改善に至っております

 

 

現在、痛みを伴う装具等の圧迫固定により、治療期間の長期化や後遺障害

お困りの患者さんが多数来院されております。(下記参照)

 

DSC01560.JPG

 

DSC01562.JPG

 

 

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DSC01674.JPG

 

上記の2名の患者さんは何れも30代の男性です。固定具によって圧迫され

予後が不良となり、負傷後2ヶ月以上経過してから来院されました。

伸展は-10度以内に収まっても、屈曲制限が長期に渡って残り、大変お気の

です。

完治が可能な年齢であっても、初期の固定具の不具合(圧迫)により、治療が

長期に至ってしまい、後遺障害を残してしまう方が多数おられます。

 

負傷後、他医にて経過が不良な方であっても、再固定や物理療法などに

よって、可なりの改善が見込めます。

  

夏は固定が蒸れてしまい、かぶれ等で皮膚管理なども厳しい状況です。

当院では来院の際、負傷から初期の期間はプラスチックシーネと低伸縮性

テーピングを全て外して、患者さんの第一関節の伸展を維持した状態で

こちらが患部を丁寧に洗います。

 

患部の第一関節が屈曲しないように低伸縮性テーピングで固定をして、

負傷初期から超音波バスでの温熱療法(物理療法)を行っています。

 

 

当院ではマレットフィンガー(マレット指)に限らず、

 

四肢の外傷手指・手首周辺の骨折、脱臼、捻挫(靭帯損傷)

 

腱損傷と足関節周辺の骨折、脱臼、捻挫(靭帯損傷)、筋断裂(肉離れ)】

 

交通事故(むち打ち等)、労働災害の患者さんが多く通院されております。

 

どうぞお気軽にご予約のうえ来院ください。 

 

 

 

JR大船駅南改札(ルミネウイング側)

東口より徒歩1分

優先予約制(来院時または電話でご予約ください)

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労災指定接骨院

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☎ 0467-45-6700 

大船接骨院     院長 佐藤和義

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右手第3指マレットフィンガーの小学3年生男児が完治

2021年05月23日|骨折

月12日小学校の休み時間にドッジボールで右手中指を突き指し、同日近隣の整形外科を受診された、小学3年生男児のお母様より電話がありました。

受診された整形外科ではレントゲン検査とエコー検査で右手第3指マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の診断を受け、担当医師より「第一関節は完全には真っ直ぐにはならない」と言われてしまいショックを受け、息子さんのことを心配されて、当院のホームページを観てご連絡くださいました。

 

3月13日当院来院時の外観です。

 

DSC01653.JPG

 

DSC01654.JPG 

 

 DSC01655.JPG

 

受傷時は右手第3指のDIP関節が30度ほど屈曲していたとのことでした。

当院でも念のためエコー観察をしましたが、伸筋腱断裂に加えわずかな末節骨の剥離骨折を認めたため、協力医療機関へ診察を依頼し、レントゲン検査でも末節骨剥離骨折が確認できました。

 

患者さんは皮膚が弱く、かぶれやすいということ。習い事が多く、週に2回スイミングスクール、週に1回サッカースクール、週に2回そろばん塾に通っていました。休み時間のドッジボールも楽しみとのことでした。

 

私は

「小学3年生ならば約2ヶ月でほぼ完治しますので安心してください」

伝えると

 

お二人で顔を見合わせて「良かったね」とお母さんが嬉しそうに言うと

息子さんが「うん」とうなずき、とても嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

 

尚、成人の腱性マレットフィンガーでは6~8週間の全日固定に夜間固定が

1~2ヶ月は最低限必要です。全治で言うと少なくとも4ヶ月はかかります

しかしながら成長期の小学3年生(9才)の息子さんの年齢であれば、全日の固定は4週間と短くて済み、剥離骨折が併発しているので組織癒合は早まります。

夜間固定やリハビリ期間を含めた具体的な治療計画とともに、約2ヶ月で概ね完治する旨をお伝えしました。また、できる限り1週間に2回は通院していただくようお願いしました。

 

治療計画通り経過も良く、負傷から4週間目の4月8日右手第3指DIP関節の伸展が左右同じになり安定したため、日中16時間は伸縮性テーピング(アクションテックス)夜間8時間はシーネ固定にしました。下記が4月8日の外観です。

 

DSC01770.JPG


 DSC01769.JPG

 

患者さんは川崎市から通院されていたため、この日から新型コロナウイルス感染症のこともあり、入浴も可能になったので週に1回の通院としました。

4月26日(負傷後4週間と4日)にはテーピングを多めに巻いてドッジボールを再開。

5月6日(負傷後8週間)にはスイミングスクールを再開されました。

5月10日(負傷後60日)には可動域制限もわずかになり治癒としました。

 

下記が5月10日 治癒日の外観です。

  

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 DSC01910.JPG

 

 5月10日(負傷後60日) 最終来院時

 

右手中指第一関節 伸展:0度  屈曲:88度》 


《左手中指第一関節 伸展: 屈曲:90度》

 

 

屈曲制限はわずかに残っておりましたが、コロナ禍でもあり、少しの期間で

自然治癒する旨を伝えて治療を終了しました。

 

これからもサッカー、水泳、そろばん、ドッチボールを楽しんでくださいね。

 

  

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交通事故で骨性マレットフィンガーをオペされた患者さんの経過

2021年05月01日|マレットフィンガー

交通事故で右手第5指末節骨骨折(骨性マレット)を受傷されて、手術後に

経過が不良な患者さんよりメールでご相談を受けました。

以下が患者さんと私のメールの内容と当院に通院されてからの経過です。

 

 

2020/03/19 

マレットフィンガーについて

 

はじめまして。

去年の10/23に交通事故で右手小指の第一関節を骨折しました。その後、

手術をしてピン本で週間固定。その後はプラスチックの固定器具で更に

週間固定して、ここ週間は夜間のみ固定しているのですが、指が下がった

ままの状態です。

これはマレットフィンガーの症状に似ていると思うのですが、一度見ていただく

事はできますか?

マレットフィンガーの写真を見て、似ていると思いお問い合わせさせていただき

ました。現在通院は〇〇病院の整形外科で診察を受け、リハビリは大船の

○○○○○骨院へ通っています。 年齢は36歳です。 

どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

〇〇 〇〇様

こんばんは。

右手小指の骨折の手術後に第一関節が屈曲しているのですね。

〇〇さんの症状は骨性マレットフィンガーではないでしょうか。

マレットフィンガーには腱性マレットフィンガー骨性マレットフィンガーがあり

ます。ピンを二本挿入して第一関節を軽度屈曲位で固定する方法は石黒法

言います。

10月23日負傷。オペ後6週間の固定は一般的なピン固定期間ですね。

その後、6週間のシーネ固定、8週間の夜間固定をされたとのことですが、

それで、現在も夜間固定をされているのでしょうか。

負傷から148日が経過していますし、可なり長期間になりお困りの事と推察

します。

 

拝見しませんと何とも言えませんが、末節骨の骨折の際に伸筋腱断裂が合併

していた可能性も有りますし、石黒法は第一関節を軽度屈曲で固定するため、

中々真っ直ぐにはなり難い場合があります。

 

さて、○○○○○整骨院では整形外科との連携の元に施術をされています

しょうか。

来院いただく際に可能でしたら、整形外科のレントゲン画像が有ればご持参

ください。

当院では超音波観察装置で伸筋腱の断裂の有無などを動的に観察いた

ます。その上で、今後の治療方針や固定方法などをご教示致します。

 

当院は予約優先制になっております。

明後日の土曜日は予約で一杯になっており、大変申し訳ございませんが

来週の月曜日以降でしたらご予約が可能です。 

金曜日は祝日で休診ですが、朝9時または夜6時~9時にお電話をいただ

ければご予約が可能ですので、遠慮なくお電話ください。

何か有りましたら、0467-45-6700にお願い致します。お大事に。

 

大船接骨院 佐藤和義

  

 

佐藤先生

お忙しい中、ご返信ありがとうございます。

是非、来週の診察予約をお願い致します。

骨折時は、こんなに指は下がっていなかったです。ピンを刺し、抜いたその日

にはとても痛かったです。担当医は、腱が傷ついてると思うと言われました。

リハビリは、初めは○○病院でしたが変更して、○○○○○整骨院へ通って

います。

レントゲン写真など連携はございませんが、骨はくっついたと医師からは言わ

れてます。次回の診察は4/24です。

医師の判断で指がまだ落ちているので夜間固定という形になっています。

整骨院でのリハビリはヶ月位通っています。

「本当に骨のつき方とか正しいかな?これだけして、指が落ちてくるのは何か

おかしい」と話していました。

車と自転車(私)の交通事故ですので、まだ保険会社を利用しています。

医師からリハビリ施設は併用できないと言われました。

3/25の11時から15時までの間

3/2710時から16時までの間

その次の週ですと、3/3010時から16時までの間です。

上記で予約のご都合がつく日はありますでしょうか。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

こんにちは

大船接骨院の佐藤です。

3月25日(水)の11時にご予約を取らせて頂きました。

レントゲン画像がなくても、取り敢えずはエコー画像を観て

伸筋腱断裂の有無や骨癒合の状態をある程度は把握出来ます。

因みに、患者さん自身でカルテやXP画像などの個人情報の公開を

病院へ求めることが出来ます。

再診の4月24日まで日が有りますので、受付にレントゲン写真のコピーが

欲しいと伝えれば、数日はかかるかと思いますが応じてくれるはずです。

少なくとも再診時にはコピーを頂けると思います。

尚、整形外科の担当医はどなたでしょうか。

過去に何人か連携を取らせて頂いておりますので、来院時に担当医のお名前

教えて下さい。

 

医師からリハビリ施設は併用できないと言われました。とのことですが、

健康保険診療では3箇所で治療の同時進行は出来ませんが、

交通事故では保険会社の担当者が了解すれば可能な場合もあります。

保険会社と担当者の名前は当日メモしてお持ちください。

私の方から担当者に連絡を取らせて頂きます。

また、3月25日来院の際には受傷からの経過を簡単な箇条書きで結構です

のでお持ち頂けますでしょうか。宜しくお願い致します。

来院お待ちしております。お大事に。 

 

このようなメールのやり取りから、3月25日に患者さんが来院されました。

 

3月25日来院時の外観(負傷から154日、オペ後152日:約5か月後)

 

右手小指第一関節  伸展:-40度  左手小指第一関節 伸展:0度

 

 

青木さん②マレット.jpg 

 

右手小指第一関節  屈曲:80度  左手小指第一関節 屈曲:90度

 

 DSC00157.JPG

 

【当院来院までの経過】

 

2019年10月23日 自転車で走行中、車に接触されて転倒し負傷。

 

下記は患者さんご自身が携帯で撮影された負傷後の外観です。 

 

DSC00173.JPG

 

2019年10月25日(2日後)石黒法のオペ後の外観です。

 

DSC00175.JPG

  

12月初旬のオペから約6週間後、ピンを除去され、約8週間のプラスチック

シーネ固定を継続される。

 

1月末に24時間のプラスチックシーネ固定を8時間の夜間固定に変更。

日中の固定をやめてから、徐々に第一関節が屈曲してきてしまう。

 

2月初めから○○○○整骨院でリハビリを開始。電気治療とマッサージ

されていたそうですが、症状には変化が無く3月25日に来院されました。

 

当院では、超音波観察装置で伸筋腱の癒合不全を確認したため、患者さん

の指にフィットしたプラスチックシーネを作成して入浴以外の再固定を施行

物理療法として、超音波バスによる温熱療法、機能訓練を施行。

 

整形外科の担当医の再診の際には、ご報告書を患者さんへお渡しして経過を

ご報告致しました。

 

3月25日からの再固定時は入浴以外をシーネ固定として、第一関節の 

伸展力がついたため、4月9日からは日中16時間は伸縮性テーピング、

夜間8時間はシーネ固定に変更しました。

経過も良く、4月27日には日中の伸縮性テーピングをやめ、夜間固定のみ

としました。

 

下記のように、4月30日には左手小指第一関節が伸展0度で安定しました。

 

青木さん③マレット.jpg

 

4月30日 右手第一関節屈曲50度。 健側の左手第一関節90度。 

 

DSC00322.JPG

 

4月30日より1/f 低周波通電音楽療法を施行。

このまま右手小指の伸展は0度で安定しましたが、右手小指の最大屈曲は

60度までの改善が限界でした。

 

最終的には治療をしても右手小指の最大屈曲の可動域制限の改善が見ら

れなくなったため、症状固定で治療は終了となりました。

 

 

6月22日 右手小指第一関節の最大屈曲は60度で症状固定 

 

DSC00580.JPG

 

 6月22日 右手小指一関節の伸展は0度で完全に安定しました

 

青木さんマレット.jpg 

 

当院通院期間:90日 通院日数:24日

 

最終的な左右の関節可動域を比較しますと、

 

 3月25日初診時

 

 右手小指第一関節 伸展:-40度 屈曲:80度》

  

   関節可動域40

 

 

 6月22日最終来院時

 

右手小指第一関節 伸展:0度  屈曲:60度》 


《左手小指第一関節 伸展: 屈曲:90度》

 

   関節可動域60

 

 

患者さんには、このように伸展は改善すること、再固定によって屈曲制限

が増すことを3月25日の初診時にはお伝えしていました。

 

患者さんは手術を担当された整形外科医師に後遺障害認定の診断書を

記入していただき、保険会社に提出されました。

その手続きのお手伝いを少しさせていただき、昨年末には事故の示談が

成立したとのことで、わざわざご挨拶に来てくださいました。

 

その際にいただいたメッセージが下記になります。

 

佐藤先生

 

私の小指の治療と弁護士さんのことまで、何から何まで

お世話になりました。

こんなに丁寧に治療報告をして下さるのは佐藤先生だけと

保険会社の〇〇さんもおっしゃっていました

私も、先生の知識と技術とお心遣いに大変助けられました。

本当にありがとうございました。

 

このようなメッセージをいただきますと、これからの仕事の励みになります。

 

初回来院時には右手の小指の第一関節が40度も曲がっていて、洋服の

着替えでは指が引っ掛かり、料理や洗濯などの家事でもかなりの支障が

あると仰っていました。

再固定をしたことで第一関節の曲がりは悪くなりましたが、真っ直ぐになり

日常生活にはほぼ支障が無くなられたと喜んでいただきました。

これからも料理のお仕事や子育てに励んでいただけたら嬉しく思います。

 

尚、先日患者さんへ、ブログの掲載許可をメールでお願いしました。

その後の経過をお聞きしましたところ、

「お陰様で最近はもう小指のことを気にせず生活しております」

との返信をいただきました。

 

骨性マレットフィンガーで経過不良な方がおりましたら、上記の患者さん

のようにある程度の改善は可能ですので、諦めずにご連絡ください。

 

 

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腱性マレットフィンガーの28才男性、お二人がほぼ完治(治癒)

2020年05月01日|マレットフィンガー

<症例1>

2019/09/21 (土) 0:04

埼玉県の20代後半の男性の方からメールを頂きました。

「5日程前に、左手の小指に強い衝撃を受け、腱性マレットフィンガーという診断を受けました6週間の固定で治るか治らないかは五分五分だと言われ仕事の関係もあったので、固定はせずに帰ってきましたしかし、このまま指が曲がった状態で生活していくことに不安を感じ、どうにか治る可能性がないかと思い連絡しました。一度お話を伺いたいのですが、一番近い日ではいつが診察可能でしょうか?」

 

「9月25日水曜日午後2時30分ではいかがでしょうか。」

 

「わかりました。25日水曜日午後2時30分によろしくお願いします。」

 

「承知しました。取り敢えず、第一関節のみ圧迫をしないように、薄いアイスキャンディーの板のようなものを使って、テーピングで固定をして下さい。何か有りましたらメールでお尋ねください。」

 

「仕事の都合上、指を使うので固定はしていないのですが、固定はしておいた方が宜しいのですか?」

 

「左手の小指でもお仕事で使われますか?パソコン作業ではないのでしょうか。少しの期間でも早くから固定をされた方が良くなりますので、来院されるまでの間も固定をされて下さい。因みにお仕事と年齢を教えていただけますか?」

 

「○〇才の消防士です。現在は日中以外は固定をして、仕事中は固定を外している状態です。」

 

「現在、消防士の方が2名通院中です。確かに仕事で使いますね。現場に行かれるなら尚更ですね。取り敢えず、かぶれないようでしたら非伸縮性テーピングでの固定をお願いします。水曜日まではそのようになさって下さい。」

 

「わかりました。非伸縮性テーピングで固定をしておきます。」

 

9月25日の来院時は下記です。

 

 DSC09315.JPG

 

テーピングを取ると、最大伸展で下記のように第一関節は約40度屈曲していました。

 

DSC09316.JPG

 

プラスチックシーネで全日の再固定を施し、負傷から5~6週間で伸展の維持が可能

となりました。この日から日中の16時間は伸縮性テーピングとして、夜間の8時間は

プラスチックシーネを継続としました。

 

下記が10月28日の負傷から6週間+1日 の外観写真です。

 

 DSC09527.JPG

 

DSC09528.JPG

 

この時の第一関節の可動域は伸展度、屈曲40でした。


お忙しかったことも有り、12月、1月は月に1日しか通院されませんでしたが、

経過も良く1月28日で治療を終了しました。

 

下記が最終通院日の1月28日の関節可動域です。

 

DSC09881.JPG

 

DSC09882.JPG 

 

DSC09883.JPG

 

患者さんの健側右手第5指の第一関節は最大屈曲90度、

 

第二関節の最大屈曲は105度です。

 

一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です

 

1月28日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと

 

第一関節は最大屈曲80度、第二関節の最大屈曲105度でした

 

伸展は左右共に0度でした

 

通院期間は126日間(負傷から135日間、約4ヶ月半)通院は10日でした

 

1月28日の時点では、患者さんの第一関節の関節可動域は屈曲制限を10度残しておりました。しかしながら、患者さんはお住まいが遠方で、お仕事も多忙だったため、今後も年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。

わずか10日の通院でしたが、令和2年1月28日で日常生活やお仕事に全く支障のない可動域に改善され、とても喜んでおられました。埼玉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。

 

 <症例2>

また、同じ時期に上記の方と同じ年の患者さんが並行して通院されておりました。

 

千葉県の20代後半の男性は,令和1016にジムでバランスボールを使って、壁にバレーボールのオーバートスをしていた時に突き指され、左手第5指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を負傷されました。

同日、近所の接骨院を受診され、当院では診られないのでと近隣の総合病院を紹介されました。翌日、総合病院の整形外科を受診され、装具で固定されました。

その装具でしばらく固定をしていると痛みや腫れが生じて辛かったそうですが、担当医から68週間の固定を継続するように言われて、我慢されました。

当院のことは受傷された当初からホームページを観てご存知でしたが、遠くも有り様子をみられていたそうです。それでも痛みに耐えかねて、お電話をされてきました。

すぐに予約を取らせていただき、12月2日に来院いただきました。

 

下記の写真が令和1年12月2日の来院時外観です。(負傷から48日目、6週+6日

 

DSC09667.JPG

 

間違った大きいサイズの装具による強い圧迫で発赤、浮腫を生じておりました。 

第二関節を含むこのサイズでは、第二関節が充分に屈曲出来ません。 

下記のように、固定を取ると、マジックベルトの痕がくっきりと付いていました。

 

DSC09668.JPG

 

最大伸展時は第一関節の伸展がやや不充分でした。

 

DSC09669.JPG

 

下記のように最大屈曲時は、第二関節にも屈曲制限が著明でした。

 

DSC09670.JPG

 

「治療上の問題点」 

 

①小指にしては装具のサイズが大き過ぎ、第二関節の屈曲を妨げてしまったこと。

 

②バンドを強く締めすぎたため、血流障害や浮腫みが生じてしまったこと。

 

③ 負傷から48日間、6週+6日の固定をほぼ外さずに過ごされたこと。

 

 ☞整形外科担当医の指示で、患者さんには何の落ち度も有りません!

 

これらの要因から関節拘縮を生じてしまいました。

 

圧迫による浮腫が強かったため、超音波バスによる温熱療法後の冷罨法(温冷交代療法を施行後、指の形に合わせたプラスチックシーネを作成し固定を変更しました。

 

治療期間はかかりましたが、幸いお若かったため可動域の制限もわずかで終了することが出来ました。

 

下記が最終通院日の4月11日の外観写真です。

 

DSC00249.JPG

 

DSC00250.JPG

 

 患者さんの健側右手第5指の第一関節は最大屈曲は105度、

 

第二関節の最大屈曲は100度です。

 

一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です

 

初診時の12月2日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域は

 

第一関節は最大屈曲35度、第二関節の最大屈曲46度でした

 

伸展は左-10度、右+5度でした

 

4月11日の第一関節は最大屈曲86度、第二関節の最大屈曲100

 

伸展は右共に+5度でした

 

通院期間は132日間(負傷から178日間約6ヶ月)、通院は14日でした

 

4月11日の時点では、患者さんの第一関節の可動域は屈曲制限を19度残していました。しかしながら、患者さんのお住まいが遠く通院も大変だったため、この日で終了となりました。

初診の時の状態に比べると、日常生活に全く支障のない状態に改善されたため、とても喜ばれておりました。もともと第一関節の可動域がとても広いため、今後もリハビリを継続していただければ、年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。千葉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。

 

 

お二人の症例のように、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、年齢などにより異なりますが、完治もしくは日常生活に支障のない改善が可能な疾患です。

 

<腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の治療で大切なこと>

 

適切な固定具を使用すること。☞患部への圧迫は禁忌

②初期からの物理療法(温熱療法)を施行。当院では超音波バスを施行。

③適切な全日の固定期間(約6~8週間) ☞年齢により異なる固定期間。

6~8週間の固定後の日中のテーピング固定。(職種などにより異なる)

約6~8週間の全日固定後の夜間固定。4~12週間の夜間固定により、

  第一関節の伸展が安定します。

 

腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、受傷初期から上記の適切な治療を施すことにより、充分な治療効果が望めます。年齢や患者さんの個体差などにより異なりますが、概ね日常生活に支障のない関節可動域の改善が得られます。

 

当院は優先予約制す。来院される際は電話またはメールでご連絡下さい。その際に、負傷年月日、負傷原因、年齢、簡単な治療経過を教えていただき、ご都合の良い日時を受付に伝えご予約ください。

不良な固定装具により、痛みや浮腫みなどが生じている場合は、遠慮なく至急お電話ください

 

来院時には箇条書きで結構ですので、負傷年月日、負傷からの簡単な経過を記入したメモを持参いただければ幸いです。宜しくお願い致します。 

お大事に。

 

 

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小児肘内障の2才女児が急患で来院

2020年04月08日|小児肘内障

4月8日水曜日は6時半には最後の患者さんが帰られ、7時前から片付けをしていました。7時過ぎに電話が有り、

「2才の娘が肘を脱臼したようなので、時間外に申し訳ないのですが,診ていただけますか?」と女の子のお母さんからでした。

車で来られるとのことで、少しお時間が掛かるようだったので、院内の清掃と共に消毒などを行い待っていました。

 

片付けもほぼ終わって、そろそろ患者さんが来られるかと思い外を観ると、ちょうど車が到着しました。外に出て接骨院の前に車を誘導し、挨拶も早々に待合室へ入っていただきました。

2才の女の子はパジャマ姿で泣いてはおらず、少し眠そうな感じでした。5才のお兄ちゃんも一緒でした。

3年前にお兄ちゃんも半年間に3回、右肘関節脱臼(小児肘内障)で来院していました。お兄ちゃんは5才になっていて、もう脱臼する事は無くなっていました。

 

待合室でお母さんに初診申込み用紙へ記入いただきながら、女の子にどのように負傷したかを尋ねました。すると、ソファーから後ろ向きで降りようとして、座面と右手が摩擦のように働いて、引っ張られたようになったと教えてくれました。

2才にしては、しっかりとした受け答えで、お母さんと私が「転んだりはしていないのね?」と尋ねると「うん」としっかりうなずきました。

 

女の子は昨年の12月に右足の小趾を打撲して、少し通ったことが有りました。

また、その時には先にお母さんが左足関節捻挫(靭帯損傷)で通われており、毎回一緒に来られていました。そのため、私には慣れていたので、整復時に少しだけ表情は歪みましたが、全く泣かずにすんなり整復が出来ました。

聞き取れるほどの整復音ではなかったですが、しっかりと整復音を触知出来ました。

 

下記は整復前で、右手は手の平を上に返すことが出来ません。

 

DSC00232.JPG 

 

整復後は手の平を上に返すことが可能になります。

 

DSC00234.JPG

 

また、肘を曲げることも可能になります。

 

DSC00233.JPG

 

私はてっきりお兄ちゃんに手を引っ張られて、右肘関節脱臼(小児肘内障)をしたのかと思っていましたが、自分で負傷してしまったのですね。今回が初めてですが、今後お兄ちゃんのように3回も脱臼しないように気をつけてくださいね。お大事に。

 

昨日の午前中も保育園に通う、2才の男の子が左肘関節脱臼(小児肘内障)で保育士さんに連れて来られました。

 

先週の月曜の午前中も5才と2才の男の子が小児肘内障で来院されました。

 

3月24日の2才の女の子から小児肘内障の患者さんが続いております。

 

肘関節脱臼(小児肘内障)は大人の肘関節脱臼とは異なり、しっかりと整復されれば、すぐに手を使えるようになります。個人差は有りますが、頻繁に脱臼を繰り返す子供さんもおります。

(当院には5~10回急患で来院した子供さんが居ります。)

 

※身長差の有るお父さんとお子さんが手を繋いでいて、お子さんの手を

  お父さんが強く引っ張った際に負傷されることが多い疾患です。

 

肘関節脱臼(小児肘内障)は成長とともに5才くらいになりますとし難くなります。小学生になればほぼ発症しなくなり、後遺症も残りません。

 

肘関節脱臼(小児肘内障)でお困りの際には、時間外や急患でも拝見しておりますので、遠慮なくお電話ください。

 

 

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右小児肘内障の2才女児がお昼休みに急患で来院

2020年03月24日|小児肘内障

午前中の治療時間が終わり、12時15分過ぎに机で書類の整理をしていると電話が鳴りました。

電話に出ると、昨年11月末から今年の1月まで左上腕骨遠位端顆上骨折で通院されていた、2才女児のお母さんからでした。

先程、娘さんがお父さんと出掛けて帰ってきてから、右腕を痛がって全く動かさないとのことで、今は泣いている娘さんに昼食を食べさせているとのことでした。食べては泣いて、食べては泣いての繰り返しで、電話口にも娘さんの泣き声が聞こえました。

少し遠くにお住まいなので、13時半に来ていただくことにしました。私も急いで昼食を取り、1時20分ごろに4階の自宅窓から下の通りを見ていると、車で患者さんが早く到着されたので、すぐに1階の接骨院へ降りました。

1月以来でしたが、〇〇ちゃんは2ヵ月以上も定期的に通っていて慣れていたので、待合室の絵本を左手で取り出し、お父さんに読んでとおねだりしていました。特に泣くことも無く元気でしたが、その間右手は全く使いませんでした。右腕は写真のように肘が曲げられずにダランとしていました。

 

DSC00147.JPG

 

電話では、全く負傷の原因がわからないと仰っていたお父さんでしたが、よくよくお聞きするとやはり娘さんの右手を引っ張った覚えが有ると思い出されたようでした。


トレーナーを脱いでもらって、シャツの袖を肘の上までめくり左・右の肘関節を観察し、触診してから、お父様から娘さんの右手を引っ張ったと、はっきりとした負傷原因をお聞きできたので小児肘内障(脱臼)の整復をしました。

整復をすると、抱っこをしていたお母さんにも、はっきりと聞こえる整復音が得られました。

整復後、少しの間は右手を使わなかったのですが、間もなく写真のように手を使うようになり、ご両親も安心されておりました。

 

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はじめての小児肘内障(脱臼)でご両親はとても驚かれたご様子でしたが、手首を強い力で引っ張らないように気をつけてください。もしも子供さんが一緒に歩いていて転びそうになったら、上腕をつかんでください。幼児には肩の脱臼は起こりませんのでご安心ください。再脱臼しないようにお気をつけください。お大事に。

  

 

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年末の12月28日(土)の早朝に右肩関節脱臼の男性が来院

2019年12月30日|脱臼

年内は残すところ12月28日(土)と30日(月)の午前中で仕事納めでした。年末は患者さんも忙しくされているため、例年では暇になるのですが、優先予約制にしたこともあり、この2日間は予約で一杯になりました。

 

そんな12月28日土曜の早朝7時20分頃、接骨院の電話が鳴りました。

妻が電話に出ると「そちらは脱臼を診てくれるのですか?」と男性からの急患の電話でした。

電話を代わりお話を聞くと、昨日の午後3時ごろにお酒を飲んで酔って転倒された際に右肩を負傷され,ご自分の症状をネットで検索されて肩関節脱臼ではないかと思われたようでした。

私は昨日に転倒されて肩関節脱臼をしていたら夜眠れないはずで、負傷当日のうちに医療機関を受診されると思い、肩鎖関節脱臼ではないかと推測しました。

 

因みに現在通院中の左肩鎖関節脱臼の患者さんの外観です。こちらの患者さんも酔って階段で転倒してしまい負傷されました。左鎖骨の外端に段差が認められます。

 

DSC09698.JPG

 

さて、7時40分頃に患者さんが到着されたのですが、また接骨院の電話が鳴り私が電話に出ると、今度は町田市在住の腱性マレットフィンガーの女性の新患の方からでした。妻に接骨院へ降りてもらい、男性患者さんの受付対応をお願いしました。

腱性マレットフィンガーの女性は12月12日の負傷日に整形外科でこの怪我は治らないからと言われて、1週間ほどで固定を取られてしまい、今は固定をされておらず、左手第3指の第一関節は可なり曲がっているとのことでした。

予約が一杯だったので、午後1時に来院いただくようにお伝えして電話を切りました。

 

急患の肩関節脱臼の男性患者さんですが、接骨院へ降りて直接お話を聞くと、警備員のお仕事をされている横浜市在住の66才の方でした。昨日の午後3時に餅つきをされ、その時にお酒を飲んでかなり酔われてしまったようで、つまずいて転倒されたのは覚えているものの、どのように負傷されたかまでは覚えていないご様子でした。

 

お仕事の服などで可なり重ね着をされていたため、患部の右肩が痛まないように、ゆっくりと右側から服を脱いでいただきました。整復前の外観が下記になります。

  

DSC09787.JPG

 

 

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明らかに肩鎖関節脱臼ではなく右肩関節脱臼(前方脱臼)でした

やはり昨夜はあまり眠れなかったそうです。通常なら救急病院へ行かれ整復されていれば、昨夜は眠れたのではないかと思います。また、脱臼は時間が経てば経つほど整復が難しくなる疾患です。

 

超音波観察装置で脱臼の状態を観察すると、半日以上過ぎている為、大胸筋の牽引力で上腕骨頭が中枢へかなり転位しておりました。

私は4階の自宅に戻った妻を呼び戻し、動画撮影してもらいながら、整復を試みました。

取り敢えず呼吸法で、ゼロポジションまでは痛がられることなく挙上が出来ました。そして末梢牽引をしながらゆっくりと待ちました。

暫くしてから、上腕を外旋・内旋しましたが整復されず、もう暫く末梢牽引をして様子を見ました。

しかし、8時から予約の患者さん二人が待合室でお待ちでした。お一人は治療後すぐに仕事が有るため、一旦整復動作を止めて、予約の患者さんの対応をせざるを得ませんでした。

診療の開始時間も押し迫っていたため、妻には動画撮影を止めてもらい、いくつか他の肩関節脱臼の整復法を試みましたが、整復が困難でした。

 

尚、もう一人の8時予約の患者さんは、ご予定がないとのことで申し訳なかったのですが、暫く待っていただくことをお断りして、また右肩関節脱臼の整復動作を再開しました。

可なり汗もかいてきて、流石に牽引している手も疲れてきてしまったのですが、ゼロポジションの牽引を緩めずに上腕骨頭を腋窩から右手で押さえて、上肢を下方へ降ろしたところでやっと整復が完了しました。下記が整復後の外観です。

 

DSC09792.JPG 

 

 

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再脱臼をしないように、左手首を右手で持っていただき、背中に手を当てて補助しながらベッドに座っていただきました。利き手で不自由かとは思いましたが、アームホルダーという三角巾の代わりになるバンドで提肘固定し治療を終えました。 

この後はすぐに警備のお仕事が有り、明日の29日(日)で仕事納めとのことでした。また、来年からは現場が地元の横浜になり大船には来られなくなるとのことでした。

当院への通院は困難なようなので、新年早々にでも、ご自宅近くの病院で骨折の合併症の可能性も有るため、精密検査を受けられるようにお伝えしました。

 

翌日、患者さんと連絡が取れたので、新年に患者さんが医療機関を受診される際、担当医師に写真を見せていただければと思い、上記の右肩関節脱臼整復前と整復後の外観写真を患者さんに取りに来ていただき、お渡ししました。

 

お一人暮らしで、寒い冬の時期に屋外での警備の仕事は大変かと思います。

再脱臼されないこと、反復性に移行しないことを祈っております。お大事に。

 

年末で治癒になる患者さんもいれば、年末に転倒されてしまい、お正月を固定したまま過ごされる患者さんもおります。

入浴をされる際、患部を洗えずに過ごされる患者さんは、とてもお気の毒です。来年は怪我をしっかり治され、怪我の無い、良い年になる事を心よりお祈りしております。

 

 

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第28回 日本柔道整復接骨医学会 口頭発表を終えて

2019年11月28日|マレットフィンガー

11月23日(土)、24日(日)に第28回 日本柔道整復接骨医学会が

東京有明医療大学で開催されました。

今回

「医科で改善が困難と言われた、陳旧性腱性マレットフィンガーの2症例」

と題して口頭発表をしました。下記が要約文と症例です。

 

Key Word:陳旧性腱性マレットフィンガー、固定期間、固定期間中の物理療法、夜間固定、日中のテーピング固定

 

「背景」

 

腱性マレットフィンガーは整形外科領域において難治性疾患に位置づけられている。陳旧性腱性マレットフィンガーでは、経過が不良なため医療者側が治療を拒むことも多い。当院ではホームページに腱性マレットフィンガーの症例の経過等を掲載し、常時20名以上の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中である。通院中の腱性マレットフィンガーの患者さんの殆どの方は整形外科から転療され、固定装具などの圧迫により、水疱形成、発赤、浮腫、疼痛、可動域制限を呈している。そのような中、腱性マレットフィンガーを負傷され、長期に渡り放置された後に整形外科を受診され、担当医より治療をしても改善の見込みはないと治療を拒否された陳旧性腱性マレットフィンガーの患者さん2名を施療し、良好な結果を得たので報告する。

 

「対象」

 

【症例①】左手小指腱性マレットフィンガー。

41才男性。職業:自動車の整備士。

<負傷年月日>2018年10月11日

<当院初検日>2018年11月3日《負傷後23日》

 

2019年1月29日治癒時 負傷111

 

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 通院期間:89日 通院日数:6日 治癒

 

  健側:伸展+10度 患側:伸展0度


  健側屈曲85   患側:屈曲80

 

  

【症例②】左手母指腱性マレットフィンガー。

13才女性。中学2年生。所属クラブ:軽音楽部でギターとピアノ演奏。

<負傷年月日>2019年2月10日

<当院初検日>2019年3月28日《負傷後47日》

 

2019年3月28日来院時 《負傷後47日》

 

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2019年7月27日《負傷後168日》治癒時。 下記写真。 

 

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ギターとピアノ演奏、体育のバスケットボールなどに支障なく治癒。

 

通院期間:123日(17週+4日) 通院日数:25日 

  

 

  健側:伸展+10度 患側:伸展+10度


  健側屈曲90   患側:屈曲85

 

 

「結果」2症例共に入浴以外のプラスチックキャスト材、伸縮性テーピングを併用した固定処置、物理療法、機能訓練を施行。経過で固定強度と固定時間を減らし、QOL上支障のない関節可動域を得られ治癒した。

 

「考察」①2症例共に放置されていた期間に、無理な圧迫固定による拘縮症状が無かったこと。②固定後も拘縮症状が生じないように、入浴の際、患者さん自身が容易に取り外し可能なプラスチックキャスト材を使用したこと。③年齢的に若年者であったこと。などが組織修復を可能にした要因と考える。腱性マレットフィンガーは陳旧例であっても柔道整復師が積極的に施療すべき疾患であると考える。

 

負傷後から長期に渡り放置された2症例を経験し、患者さんのご協力により良好な結果を得ることが出来ました。

症例発表にご協力頂きました患者さんには、心より感謝申し上げます。

 

 

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私的勉強会の早朝に小児肘内障の2才女児が来院

2019年09月24日|小児肘内障

毎年、9月の連休には「敬身会」という私的勉強会が開催されています。

静岡県、京都府、新潟県十日町市、東京都、神奈川県の有志の柔道整復師集い、一泊二日でホテルの会議室を借りて、初日の3時間は4人の先生が症例等の発表を行いました。翌日の3時間は前日の発表内容の疑問点等をディスカッションし肩の脱臼整復の実技等を行いました。

今年は9月22日(日)、23日(月)埼玉県羽生市のルートイングランティア羽生SPA RESORTに宿泊し、初日の勉強会の後には皆で温泉に入り、宴会では美味しい食事に舌鼓を打ち、美味しいビールを飲みながら、日頃の労をねぎらいました。


「敬身会」は臨床で疑問に思った事を経験が豊富な先輩柔道整復師遠慮なく質問が出来て、先輩柔道整復師は包み隠さず自身の経験を踏まえて、手取り足取り指導してくださる素晴らしい会だと思っております。

今回は20代の若手柔道整復師が4名も参加し、急に若返り、52才の私も若手ではなくなってしまいました。

 

今回私は幹事を仰せつかっていたので、宿泊予約などの手配をしていたこともあり、早めに現地に着く予定でした。しかしながら、この敬身会のある9月の連休前後には必ず急患の連絡が入るのでとても驚かされます。

 

勉強会の初日には、2番目に発表することになっており、仕事が忙しく前日の深夜までパワーポイントで発表の資料を作成していました。深夜1時を過ぎてしまい、翌朝少しで完成のところまで仕上がっため、朝の7時30分に目覚まし時計をセットして床に就きました。

布団に入ると翌日のことを色々と考えてしまい、中々眠れませんでした。


敬身会の勉強会当日は、現地に午後2時の集合だったため、9時半に大船を出て現地で昼食を取ろう考えておりました。

朝8時に珍しい左手第2手根骨脱臼のサッカークラブの中学生男子とテーピング固定の約束をしていたため、その後に発表資料を完成させて出発しようと考えつつ何とか眠りにつきました。


朝7時15分に接骨院の電話が鳴り、妻が電話に出てくれ、小児肘内障の2才女児の急患とのことでした。

電話を代わり、15分程で来られるとの事だったので、急いで洗面と身支度をして接骨院に下りると、7時30分には患者さんが車で到着されました。

 

運転席からお母さんが降りてきて、後部座席のドアを開けて、チャイルドシートから可愛らしい女の子を抱きかかえると、その奥から小学校の高学年と思われる女の子が降りてきました。

すぐに待合室に入っていただき、そのまま治療室の椅子に座っていただきました。

 

お母さんに負傷の原因をお聞きすると、一昨日の金曜の17時頃に、仕事が休みだったご主人が保育園へ娘さんを迎えに行き、その時に娘さんの両手首をつかんでぶらんぶらんと遊んであげていたら、急に泣き出して左手を使わなくなった様子でした。

 

来院時整復前の外観が下記です。左手をだらんとして2日以上あまり使わなかったそうです。

 

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整復後の外観が下記です。

整復をすると、お母さんにも聞こえる整復音が聞こえましたが、女の子は顔を少し歪めただけで、幸い泣かれませんでした。

 

DSC09293.JPG 

 

暫くすると、ボタンを押すと音楽が流れる絵本で遊ぶようになり、左手を普通に使うようになったので、お母様も安心されておりました。

 

また娘さんが肘の脱臼小児肘内障)にならないように、手首は持たずに上腕を持ったり、脇から抱え込む様にして手首を引っ張らないように諸注意事項をお伝えました。

お子さんが4人居て、金曜はお母様が残業で帰宅が深夜12時だったそうで、ご主人が金曜日の負傷後すぐに連れて来られればと思ったのですが、今まで肘の脱臼小児肘内障をされたお子さんがいなかったため、娘さんが脱臼しているとは考えられず、そのうちに自然に治るだろうと思っていたそうです。

 

小児肘内障の場合には、受傷後すぐの脱臼時は泣いて痛がりますが、

  その後は手を使わないだけで痛みをあまり訴えなくなります。

 

2日以上過ぎてから来院された肘の脱臼(小児肘内障)はとても珍しいですが、万が一肘の脱臼(小児肘内障)になってしまった場合には、様子を見ずにすぐに来院下さい。お大事に。

 

 

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深夜に左足関節(ショパール関節)捻挫の男性が来院

2019年04月30日|捻挫

4月27日土曜日の23時40分頃の入浴中に、髪を洗っていると妻が急患の電話を取ったようで

「急患だけど、あとどれくらいで出られる?」と聞かれました。

シャワーの音にかき消されて、聞こえ辛かったのですが、

「15分で来られるそうだけど、20分後にしてもらう」 と妻。

「じゃあそうしてもらって」と私。

 

正直なところ「何でこんな深夜に、ましてや風呂上がりに参ったなー」

と心の声が聞こえておりましたが、これも急患応需をうたっている宿命と納得

し、急いで髪を乾かしました。

 

一階の接骨院へ降りるとまだ患者さんは到着しておらず、道路に出て見渡しても来る気配は有りませんでした。

接骨院へ戻り少し待っていると、ピザ屋さんのデリバリーのような三輪バイクで患者さんが到着しました。この時すでに午前0時を過ぎ4月28日になっていました。

 

患者さんは以前もバスケで右足首を捻挫して、急患で来院されたのですが、今回は左足首のようでバイクを降りると右足でケンケンした状態で、一歩も左足を着くことが出来ませんでした。

接骨院の中へすぐに入っていただき、初診申し込み用紙に記入していただきながら、左足首の患部を観察しました。負傷の原因はバスケのゲーム中にリバンドに跳んで、着地の際に左足首を内側に捻ってしまったようでした。下記の写真では外果の前方のショパール関節部分が腫れ、発赤も生じていました。

 

DSC08689.JPG

 

前距腓靭帯部に腫れは無く、圧痛も有りませんでしたが、ショパール関節部には少し触れただけでも相当な痛みを訴えられました。

上記の写真では分かり難いですが、下記の両足関節の正面からの写真ではショパール関節部分の腫れの差がはっきり分かります。

  

DSC08688.JPG

 

ショパール関節には二分靭帯(=Y靭帯:踵舟靭帯と踵立方靭帯)が有り、しばしば踵骨前方突起裂離骨折を生じますが、痛がり様からは恐らく踵骨前方突起裂離骨折ではないかと思いました。しかし、エコーで観察したところ、踵骨前方突起には裂離骨折は観察出来ず、ショパール関節部の離開と二分靭帯損傷、顕著な腫脹を観察しました。

 

アイシングをしていると、軽い貧血になってしまったため、横になってもらいもう少しアイシングを継続しました。

貧血が落ち着いた頃に整復固定処置を行い、帰りには松葉杖を貸し出しました。

 

 処置を終えると

「昨日じゃなくて、もう今日なんですけど講習会が有って、昨年も欠席しているので行かないとまずいんですよね」「いつも予定の有る前に怪我するんだよなー」

 「それに、明日は横浜マラソンで仮装とかして42.195キロを走る予定だったのですが無理ですよね」 と言われました。

 

「講習会は座学なら松葉杖ついて行けるけど、なるべく安静が良いけどね」 

「マラソンは流石に無理だろう」

 

「マラソンは流石にやめときます」

 

DSC08690.JPG

 

患者さんのバイクのセルが故障していて、キックでしかエンジンがかからない

ため、

「来るとき怪我した左足でエンジンかけて、めちゃめちゃ痛かったんですよ」

と言われたので、私が代わりにエンジンをかける手伝いをしました。

キック3回でエンジンがかかり深夜1時に無事に帰られました。

 

幸い28,29日の連休後の30日火曜の来院時には、松葉杖を使用しなくても歩けるようになっており、松葉杖を返却されました。

 

バスケが早く出来るように治しましょう。それよりまずは仕事が普通に出来るようにしましょう。お大事に。

 

 

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