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院長:佐藤和義
住所:〒247-0056
鎌倉市大船1-23-31 サトウビル1F
TEL:0467-45-6700
アクセス:JR東海道線・横須賀線・根岸線 大船駅東口 徒歩1分
駐車場(有料駐車場40分間サービス券発行)

マレットフィンガー

先月に来院された腱性マレットフィンガーの男性が再来院

2014年12月28日|マレットフィンガー

先月の11月末に電話で相談を受け来院された、埼玉在住の20代後半の男性から再度お電話を頂き、12月末に再来院された。

患者さんは平成26年8月17日にバスケットボールでボールを受けた際に右手の薬指を受傷されました。初めは整骨院を受診され、超音波エコー観察で腱が切れ掛けているという曖昧な説明を受けられたようでした。その後途中で別の接骨院に転療された後に、骨折をしているのではないかと考えられ整形外科を受診されました。レントゲン検査を受けられましたが骨折は認められず、整骨院・接骨院と同様に腱の断裂である腱性マレットフィンガーの診断を受けられたとのことでした。

お聞きしたところでは、一定期間の固定によりDIP関節は伸展してきたのですが屈曲制限が気になり、時々ご自分の反対の手で押し込むように曲げていたそうで、折角第一関節が伸びたのに20度程曲がって来てしまったご様子でした。

 

電話で相談を受けた際に固定を継続されるように指示して、数日後の11月28日に来院された伸展の状態と屈曲の状態が以下の写真です。

 

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第一関節の伸展状態は良好ですが、屈曲制限はかなり有ります。しかしながら、6~8週間の伸展位固定を施して、第一関節の曲がりが悪くなるのは当然です。年齢にもよりますが元通りに完全屈曲が出来るようになるには、リハビリをしても必ず1~3か月程度の時間が必要です。長い方では6か月以上を要する場合もあります。

患者さんのお仕事はパソコン作業ということなので、就労時に強く手を握ることはなさそうですし、ご自分での曲げる練習は入浴時のみに限定して、ご自身の握力での訓練に留めて頂くようにお願いしました。また、暫くの期間はちらで作成したシーネ固定を夜間のみして頂くようにお願いしました。

 

遠方でもあり、それから暫くは連絡がなかったのですが、12月末にまたお電話を頂き再診してほしいとのことで、数日後に来院されました。

 

12月28日に来院された伸展の状態と屈曲の状態が以下の写真です。

 

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DSC03016.JPGのサムネール画像のサムネール画像

 

DIP関節の伸展状態は前回よりやや屈曲しているようですが、屈曲制限は改善傾向です。それでも患者さんは曲がり具合が不充分であることを気にされていて、伸展もやや不充分なため納得されていないご様子でした。

 

前回来院された際にご自分の反対の指で患部の指を押し込むことはしないようにとお伝えしたのですが、曲がり具合が悪いのを気にされて、やはり曲げようとされているご様子でした。

来院された際も「なんで完全に曲がらないのか」と呟きながらグイグイと右手の薬指を左手で押し、曲げようとされていたので思わず静止しました。

私は曲げられない方が気になるのかと思い「Sさんあなたは、曲げる方をよく治したいのですか、それとも伸ばす方をよく治したいのですか?」とお聞きました。

すると、Sさんは「どちらもよく治したいですね」と微笑みながら言われました。

 

患者さんの心理(心情)というものは

 

①可動域制限が殆ど無くなること。つまり後遺症が最小限に治ること。

②出来る限り早く治ること。

 

それが希望であり、それに尽きると思います。

 

しかし、Sさんの場合にはこの腱性マレットフィンガーに関する正しい情報が得られず病態の理解が難しくなってしまったため難渋してしまったケースと思われます。

年齢からしますと適切な固定処置での固定期間適切な期間での固定除去後の機能訓練と夜間固定をしていれば約3か月でほぼ完治していたと思われます。

 

当院に来院された際にはすでに3か月以上が経過しており、写真のような状態でしたが、約1か月後の来院時には屈曲がかなり改善しているのがお解り頂けます。

指の関節の可動域障害(関節拘縮)の改善には時間を要しますが、かなりの改善が見込めます。

☞人間の指はとても繊細ですが不思議な回復力を持っています。

 

「諦めずに夜間固定を継続して入浴時の屈伸運動を継続して頂ければ(無理な屈曲運動はせずにですが)年齢的にはほとんど気にならない程度に関節の可動域は回善します」とご説明して、また1月の末に来院頂くようにお伝えました。

何はともあれ、焦らずにしっかり治しましょう。お大事に。

 

 

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急患応需

大船接骨院

院長 佐藤和義

 

 

 

 

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腱性マレットフィンガーのパテシェの男性患者さんの治療を終える

2014年12月10日|マレットフィンガー

他医より転療された30代の男性で、ご職業がパテシェをされている患者さんの治療を12月10日に終了した。負傷の原因は自転車での転倒で、整形外科にて左手薬指の腱性マレットフィンガー診断を受けられ、38日間(5週間と3日)のアルフェンス背側固定除去後に屈曲変形を呈し、それから日後に来院された

 

【下の写真は10月29日の来院時(受傷から44日目)】

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当院に来院されるまでの6日間は患者さん自身で簡易テーピング固定をされていたが、就労されると20度以上DIP関節が屈曲してしまうと訴えられ、伸筋腱の癒合と伸展力が不充分であるため掌側シーネで再固定を施した。

☞通院は勤務先(川崎)のお店が休みの水曜日のみで、週に1回でした。

  

来院から29日後(受傷から73日後完全伸展可能

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DIP関節の屈曲は45可能

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ご職業がパテシェで手を握る動作を繰り返される為、日中は伸縮性テーピングで

作業をして頂き、夜間シーネ固定は継続。起床後と帰宅後のDIP関節の伸展の状態を比較するようお願いした。帰宅後DIP関節の伸展状態に変化が有れば、また半日程度はシーネで再固定をお願いした。また、毎晩の入浴時の機能訓練(屈伸運動)を指導した。

 

 

【12月10日(受傷から87日後)治療終了時の伸展状態。DIP関節の伸筋腱断裂部の組織修復部に肥厚(膨隆)があり、僅かに完全伸展不充分ではあるが、

起床後の夜間固定除去後は完全伸展しているとのこと。】

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【DIP関節の屈曲制限はほぼ消退している】

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クリスマス前の繁忙期のため翌週からは休みが取れないとのことで、12月10日で治療を終了したが、年内一杯はお仕事で手を使うことも多いようなので、夜間シーネ固定は継続して頂くようお願いした。

 

☞30代前半の方で、5週と3日ではいくら若くても全日の固定除去は早過ぎたようです。腱性マレットフィンガーを受傷された若い20代から30代の方では、おおよそ6週間で完全伸展が可能となりますが、患者さんの職業によって固定期間を考慮しませんとDIP関節は必ず再屈曲してしまいます。しかしながら、多少再屈曲しても焦ることは有りません。また全日シーネ固定を施し、完全伸展が出来るようになったら、日中は伸縮性テーピング固定、夜間はシーネ固定を継続して経過観察をしていけばこの患者さんのように必ず良くなります。

 

ご職業がデスクワークの方ならまだしも、パテシェで手をかなり使われる方でしたので8週間の全日シーネ固定が必要だったと思われます。また、一定期間の日中の伸縮性テーピング固定が必要で、夜間シーネ固定を長めにすることがとても大事です。 

 

毎週水曜日、運動不足解消とは言え、自転車で片道2時間も掛けて通って下さりお疲れ様でした。これからも美味しいスイーツを作られて、お客さんを笑顔にして下さい。お大事に

 

 

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大船接骨院
院長 佐藤和義 

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腱性マレットフィンガーの40代女性の患者さんが来院

2014年08月27日|マレットフィンガー

 今朝の10時過ぎに、当院のブログを見て電話をされてきた右手第5指腱性マレットフィンガーの女性の患者さんが11時半ごろに来院された。6月6日に受傷され整形外科にて8週間の装具固定後、第一関節が真っ直ぐになったので固定を除去するよう指示されて、その後に段々と第一関節が曲がってきてしまい痛みも伴った為、通院していた整形外科に再診を求められた。

しかし、担当医は腱性マレットフィンガーはその程度の治り方で仕方がないものだと聞き入れては下さらなかったとのこと。来院時は固定を何もされておらず右手第5指の第一関節は15°~20°は屈曲してしまっていた。もちろん8週間の固定により屈曲制限もかなりあり、患者さんはそのことも心配されていた。

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手の外科や指の手術法などで有名な整形外科医師の石黒隆氏の著書の中で、腱性マレットフィンガーは腱の癒合を確認後、伸展力の回復が得られていても数カ月間の夜間固定の必要性を説いている。夜間固定に関しては患者さんの年齢や職種により固定期間が異なるものの、当院でも数週間から数カ月の夜間固定を患者さんにお願いしている。その上で終日手を普段通りに使用しても夜に屈曲していないことを確認し、はじめて夜間固定を除去している。

 

また、屈曲制限に関しても年齢や職種により異なるが、固定を除去してから機能訓練を入浴時にも施行して頂くと、20代の方なら固定除去後1ヵ月程度で屈曲制限は消退する。年輩者では3~6カ月以上を要する方もいるが、概ね完全屈曲が出来るようになる。他に、受傷後にかなりの期間を放置した陳旧例の場合は、固定後の機能訓練はかなりの期間を要する。

 

腱性マレットフィンガーは手の指先の第一関節を長期間に渡り固定するため、患者さんにとってはうっとうしく、とても不便な状態が続く疾患ではあります。また、痛みが殆んど無い為に受診が遅れる事も多い疾患です。しかし、固定をしなければ第一関節は変形してしまいます。

出来るだけ早めに来院され、患者さんに合った適切な固定を施行して、固定期間中にも物理療法を施行し、腱の癒合状態を経過観察しながら徐々に固定を外してゆく事が、屈伸制限の改善につながります。陳旧例であっても時間をかければかなりの改善が見込まれますので、ご相談頂ければと思います。

 

 

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大船接骨院 佐藤和義

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左手第4指腱性マレットフィンガーの患者さんが完治

2014年07月26日|マレットフィンガー

3月28日から座間市より通院されていた40代後半の男性で、左手第4指の腱性マレットフィンガーの患者さんが7月26日で経過も良く機能的に改善したので約4カ月の治療を終えた。

 

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写真のように、左手第4指のDIP関節の屈曲は8~9週間の伸展固定により初めは出来なかった訳だが、機能訓練により消退した。健側や他の指のように過伸展は出来ないが伸展制限も消退した。週に1回の土曜日のみの通院ではあったが、経過も良く完治に至ったのは幸い左手の第4指で安静に保てたことが良かったと思われる。近所の整形外科では手術を勧められ、手術を不安に思われて当院のブログに辿り着き来院されましたが、腱性マレットフィンガーは整形外科領域に於いて、保存療法より手術療法の方が比較的経過(予後)は不良と言われております。

尚、保存療法では伸筋腱の癒合後のリハビリがあまりなく、入浴の際に屈伸運動をするように言われるくらいのようで、治療を終えてから第1関節が少し曲がってしまった方をお見掛けします。これは、伸筋腱の癒合後に一定期間の夜間固定を行わなかったためだと推察致します。

 

毎週電車で片道1時間以上もかけて通院頂き有難うございました。今後は怪我をされない様にお気を付け下さい。お大事に。

 

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大船接骨院 佐藤和義

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腱性マレットフィンガーの患者さんが3名通院中

2014年06月15日|マレットフィンガー

現在、腱性マレットフィンガーの患者さんが3名通院中です。

前回のブログの3名の患者さんのうち、女性1名は第1関節の屈伸制限がほぼ改善されて4月末で治癒された。元々、右手の第5指にはへバーデン結節の変形性関節症があり、第1関節にはわずかな屈曲変形があったが、屈曲制限が残らず経過としては良好に治癒されたと思う。また趣味の卓球を楽しんで頂けたら何よりです。

また、5月初旬に40代の女性は第1関節が完全伸展には至らなかったが、屈曲制限がほぼ改善されたところで、お忙しいためか来院されなくなった。恐らくその後に第1関節が屈曲してはいないだろう考えます。

 

さて、現在通院されている方は、男性が2名、女性が1名で男性患者さんの1名は受傷から半年程になるが、下記の写真のように第1関節の伸展はほぼ真っ直ぐになり固定は全くしていない。痛みはなく、屈曲のみわずかに制限を残されている状態です。

 

【左手第4指腱性マレットフィンガー】 

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週に1度の通院でもあるため、なかなか完治に至ってないが、6月中で治癒の予定です。腱性マレットフィガーとは、そのくらい治療期間のかかる疾患なのです。

 

もう一人の男性は、40代後半で平成26年3月24日に負傷され、同日近隣の整形外科にて手術を勧められたため、私のホームページを見てメールで相談を受けた患者さんです。

当院まで1時間以上かかる座間市から来院されており、通院は週に1回だが負傷後8週でDIP関節の伸展の維持が可能となり、昼間は伸縮性テーピング固定、夜間のみシーネ固定を継続しております。

約11週で下記の写真のようにDIP関節は伸展を維持できている。もちろんDIP関節の屈曲は不十分であるが、1ヵ月ほどリハビリをすれば改善される見込みです。

 

【左手第4指腱性マレットフィンガー】

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5月5日に負傷の歯科医師の40代の女性は整形外科を受診されたが、必ず後遺症が残ると断言され、装具固定も必要なら外しても良いと言われ、困り果ててメールでの相談を受け来院されました。

左手とはいえ歯科医師の方において、マレットフィンガーの後遺症は死活問題であり、お仕事も休めず口腔外科領域のこともされているため、週に2回の通院をお願いしています。幸い4週間で下記の写真のように伸展の維持が可能となり、経過良好で患者さんも大変喜ばれております。

 

【左手第3指腱性マレットフィンガー】

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早ければ6週間で昼間のシーネを除去できるが、お仕事でかなり手を使われる為、DIP関節が再度屈曲変形しない様に慎重に昼間のシーネの除去時期を患者さんと相談の上、決定しなければならないと考えております。

 

  腱性マレットフィンガーは成長期の子供さんや20代の方では、ほぼ100%治癒しますが、成人された方の場合は、年齢に応じ75%~95%程度の治癒率といったところと思います。

というのは、腱性マレットフィンガーは受傷しても痛みがほとんど無い為、数週間様子をみられてから来院されてしまう方が多く、そのような陳旧症例ですと第1関節に伸展制限や屈曲制限が残存してしまうからです。

しかし、1ヵ月以内の新鮮例であれば90%程度は治癒が可能です。

最近腱性マレットフィンガーで整形外科を受診された患者さんからお聞きするのは、初診の日に次回は2週間後に来院するように言われて、装具で固定をしたまま、2週間もどうすれば良いのかが解らず戸惑ってしまわれている事です。

装具はマジックテープで止めるタイプのものが主流で、患者さん自身で上手に調節する事は難しく、緩んだりズレたりもする為、2週間の自己管理は困難な事が多いように思われます。

せめて1週間ごとに通院されて、患部の状態を把握出来れば後遺症が最小限に済むのではないかと考えます。

 

当院では、今のような気温の高い時期には週2~3日の通院を出来るだけお願いしております。最低週1日は通院頂かないと患部の管理は困難になります。意外と汗などでシーネが臭います。

また、来院時にはシーネ固定を外して、患部を良く洗い清潔に保つと共に、テーピング固定をしたまま初期より超音波バスでの温熱療法を行います。そのため腱の癒合が早まり、固定期間がやや短くて済みます。

しっかりと腱の癒合が認められれば、超音波バスでの屈伸運動(機能訓練)を行い、第1関節が充分に屈曲出来るようになれば治療は終了です。

 

 今回、患者さんから許可を頂きまして写真を掲載して、腱性マレットフィンガーの経過をご説明させて頂きました。

 

長期間の固定とリハビリが必要でとても根気のいる疾患では有りますが、計画的にしっかりと治療をすれば、ほぼ症状は改善されますのでお困りの方はメールか電話で御相談下さい。

 

 

大船駅東口徒歩1分

☎0467-45-6700

大船接骨院 佐藤和義

 

 

 

 

 

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腱性マレットフィンガーの患者さんが3名来院中

2014年03月01日|マレットフィンガー

 現在、腱性マレットフィンガーの患者さんが3名来院されている。

 

<症例①>50代の男性で平成25年11月中旬に自転車で転倒され、左手薬指の第1関節(DIP関節)を突き指し受傷。

同時に右手中指のPIP関節も突き指され、同日総合病院救急外来を受診。整形外科医師より左手第4指腱性マレットフィンガー右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂の診断で装具固定とテーピング固定処置を受けられた。

その後は、会社近くの開業整形外科に通院されたのだが、総合病院の整形外科医師からの紹介状が有るにもかかわらず、そちらの整形外科医師はそのままの固定を継続するように指示し、手の指に触れさえして下さらなかったそうで、2回ほど通院され信頼関係が得られず当院に12月中旬に来院された。

 

左手の腱性マレットフィンガーの固定装具は金属のワイヤータイプで、患者さんのDIP関節部にワイヤーがかなり食い込んでいて少し循環障害を起こしていたが、幸い伸筋腱の癒合が得られていたので、簡易的なプラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成して固定を変更した。

患者さんには、固定期間があと4週間程度は必要なことと、全治には3ヶ月以上はかかることをご説明させて頂いた。

また、右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂はかなりの関節部の肥厚が生じていたが、幸い靱帯が癒合し側方動揺も消退しており、屈曲痛はあったが屈曲制限はなかった。超音波バスでの機能訓練と手技療法伸縮性テーピング固定を施行している。

 

経過としては、左手第4指腱性マレットフィンガーは1月初旬にシーネ固定を除去して伸縮テーピング固定として、夜間のみシーネ固定としたが、若干DIP関節部が屈曲してきたので10日程シーネで再固定をしたところDIP関節が充分な伸展を持続できるようになり、シーネ固定を除去して夜間のみシーネ固定を継続して頂いた。屈曲制限も徐々に改善し、2月中旬には夜間のシーネ固定を除去した。

現在はわずかに屈曲制限を残しているが、経過も良好で3月中には右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂と共に治癒の見込みである。

 

<症例②>60代女性で平成25年12月中旬に卓球プレー中にラケットか卓球台に右手の小指をぶつけてしまい受傷。痛みはなく様子をみていたが、年末に小指の屈曲変形に気付くも年末年始の忙しさから平成26年1月中旬頃に来院。

右手第5指腱性マレットフィンガーで、左右のDIP関節部にはヘバーデン結節(変形性関節症)を生じていて、やや屈曲変形があった。患者さんには約1ヵ月の放置例でも伸筋腱の癒合が得られるとのご説明と屈曲制限が若干残存することを理解して頂き、プラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成し固定した。

 

経過としては、2月下旬に癒合が確認出来たので、近々シーネ固定を除去し、夜間のみシーネ固定とする予定である。

 

<症例③>40代女性平成26年2月中旬自宅の玄関で長靴にズボンの裾を押し込んでいて左手薬指の第1関節(DIP関節)を突き指し受傷。痛みもなく様子をみていたが、薬指が曲がった状態で伸びないので心配になり、ネットで検索し当院のブログを見て来院。受傷後10日目の来院。

症例①の方と同じ左手第4指腱性マレットフィンガーで、受傷後10日が過ぎてはいるものの、伸筋腱の癒合は得られること、約2ヵ月程度の固定と数週間の夜間固定が必要で、約3ヶ月以上の治療が必要であることをご説明して、プラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成し固定した。

 

 

ここ1~2ヵ月の間に、遠方からのメールで右手第5指の骨性マレットフィンガー右手第5指の腱性マレットフィンガーの患者さんからの相談があった。何れも整形外科を受診後、治療経過が思わしくない症例で大変お困りの様子であった。

骨性マレットフィンガーの男性の方は昨年6月の受傷で、整形外科で加療されて、PIP関節、DIP関節共に関節拘縮を生じていて、今後の治療のご相談であったが、自宅でも出来るリハビリ等をアドバイスさせて頂いた。

 

腱性マレットフィンガーの女性の方は受傷後間もないご相談で、整形外科で金属の装具をされ、整形外科医師より2~3週間後に来院するよう言われ、金属の装具が入浴時に取れてしまい、ご自分で金属の装具の上から包帯をしたら夜間痛で眠れなかったとのこと。受診した整形外科の先生には「運悪く腱がつかなくても小指なのであまり差し支えないですよ」と言われてしまったそうです。

 

確かに、腱性マレットフィンガーは痛みが殆んど無く、受傷後数日を過ぎてから指が曲がっているのに気付く方も多いのが特徴です。しかし、「運悪く腱がつかなくても小指だから差し支えないですよ」と言ってのける整形外科の先生には憤りを感じました。もしも先生自身が腱性マレットフィンガーで同様の症状になられた場合に、運悪く腱がつかなくても小指だから差し支えないとお考えになられるのでしょうか。私は仕事柄かなり手を使いますから、治らないと大変困りますので、不便でも約2カ月の固定に耐えてリハビリもしっかりやると思います。

 

マレットフィンガーの治療は患者さんが約2カ月もの固定による日常生活上の不便さを了承し、納得されて行われます。固定の管理上、1週間に最低2回の通院は必要で、来院時には固定の緩みや皮膚の状態(カユミやただれの有無の確認)指先への血液循環の状態の確認等を行います。そして、伸筋腱の癒合を確認しながら固定の除去時期を検討して、変形治癒に至らぬように経過観察が重要な疾患です。

 

また、長期に渡り固定をしていますと、固定したシーネは汚れもしますから、夏場等では臭いも出てきます。それでは大変困りますので夏場はまめに通って頂き、患部の指が屈曲しない様に手の洗浄を手伝い、シーネも液体石鹸で洗って汚れを落とし乾かします。汚れがひどい時には新しいシーネを作り直します。マレットフィンガーはこのような患者さんに対する配慮が特に必要な疾患と考えております。

マレットフィンガーでお困りの患者さんが居りましたら、遠慮なく当院にご相談下さい。それ程治療時間はかかりませんので、予約なしで来院頂いても大丈夫です。

 

 

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大船接骨院 院長 佐藤和義

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ブログを見られた骨性マレットフィンガーの患者さんからの相談

2012年12月10日|マレットフィンガー

今日、出先で母からのメールでマレットフィンガー〇〇さん090-〇〇~と連絡が有り、急患の連絡と思い電話をすると37才の女性で、バスケットボールのプレー中に突き指をしてしまい、骨性マレットフィンガーの診断を近くの整形外科で受けられ、手術を勧められて近隣の済生会病院に紹介されて、受診した際に保存療法を希望されたため、元の整形外科に戻されたとのこと。

 

紹介先の整形外科では、手術をしないと変形が残るし後遺症で痛みも残ることがあると、説明をされたようで相当悩んでおられるご様子だった。後日、元の整形外科に行くと、アルフェンスの固定を自分でテーピング交換するよう指示され、次回の再診は2週間後と言われてしまったそうだ。

 

保存療法を患者さんが望まれて、手術はしないことになったのなら、保存療法の治療でベストな状態を考えて欲しいのに、医師から「私の言う事を聞かないのなら、変形が残っても仕方ないですよ」と、突き放されてしまったような状況で可哀想に思ったので、「済生会病院は南部病院ですか、東部病院ですか」とお聞きすると「済生会病院です」と答えられた。

 

はてな?「お住まいはどこですか」と聞くと「香川県です」と答えられ、ちょっとびっくりしてしまったのですが、インターネットは凄いなと感心しつつ、どうにか良い結果になるよう患者さんと相談しながら、色々と現状をお聞きしてアドバイをさせて頂いた。

 

受傷されたのは11月29日で、連絡を頂いたのは12月9日だったからもう11日が経過しているため、もう一度紹介先の済生会病院にお願いして手術をされるか、多少第1関節が曲がってしまっても屈曲する力や屈曲制限は残らないので、見た目が気にならないのであれば、保存療法でも問題は無いと思われる旨を説明した。

 

ただ、2週間に1度の通院で、自分でテーピング固定を巻き直すのは、巻き直す度に骨片に動揺を加えてしまうので、もう少し間隔を開けずに通えて、固定の状態をコントロールしてくれる接骨院が近くに有れば保存療法ならその方が良いと思うと伝え電話を切った。

 

翌日の12月10日(月)午後の空いた時間にどうしてもその患者さんが気になり電話を掛けてみたところ出られなかったが、着信に気づいて折り返し電話を下さった。

 

どうされたか聞くと病院には行かず、近所の接骨院の何件かに電話されたそうだが、治療をして下さるところは見つからず、手術をした方が良いと言われることが多かったそうだ。

 

こうなったら、患者さん自身がやるしかないので、ご自分でアルフェンスをしてテーピングを交換する際には、反対の手で第1関節を伸ばした状態保って、ご主人に手伝ってもらいながら、決して第1関節が曲がらないよう御主人にアルフェンスを当ててもらい、テーピングも上手く巻いてもらえれ何とかなるのではないか、また、頻繁にテーピングの巻き直しはしないようアドバイスした。

 

イメージとしては下記の写真のように第1関節を少しだけ曲げて固定した方が、骨片が安定して骨癒合し易い。

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骨性マレットフィンガーの場合は約4~6週の固定期間を必要とする。また、骨癒合後は、固定により生じた関節の動きの制限を超音波バスなどの温熱治療で治療する。

 

第1関節(DIP関節)は第2関節(PIP関節)より拘縮が起き難く、リハビリで回復が見込まれる。ただ、骨片が癒合しない場合(偽関節)が稀に有るため、定期的なレントゲン検査等が必要である。

 

固定後の症状にもよるが、リハビリには固定期間以上かかる場合が多い。しかし、伸展制限が多少残ったとしても、屈曲制限はリハビリでほとんど改善されることが多い。患者さんが出来るだけ良く治られる事を遠くから祈っている。

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腱性マレットフィンガーの患者さんの経過

2012年06月07日|マレットフィンガー

腱性マレットフィンガーの患者さんが3週から4週になり、腱の癒合の状態を確認したところ、第1関節が曲がらずにきちんと伸びた状態を保てるようになり、それを見た患者さんが「感動した」と言って喜ばれていた。

 

右手の中指なので日常生活にも相当な支障を感じられていることと思いますが、固定期間は折り返し地点まできたので、あと4週間の辛抱です。

ちなみに、リハビリには固定期間の日数程度かかります。ソフトボールをまたプレー出来る日を夢見て!頑張りましょう

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腱性マレットフィンガーの患者さん

2012年05月20日|マレットフィンガー

5月19日(土)40代の男性で右手の第3指の腱性マレットフィンガーの患者さんが私のブログを見て来院された。

 

受傷原因はソフトボールのフライをキャッチする際に突き指をされたためで、受傷の翌日に会社のビル内にある整骨院に行かれたが、マッサージ専門で固定処置をしてもらえなかったとのこと。御自分でテーピング固定をされ、パソコンで検索されたところ、私のブログ記事が目に留まり電話をされてから来院された。

 

ちなみに、腱性マレットフィンガーでは、指伸筋腱の断裂により、指の第一関節が屈曲位をとり、自動的には伸展不能の状態になります。来院された患者さんは、仕事でパソコンを使うそうなので、少し不自由かとはますが、6~8週間固定を辛抱して頂ければ、指伸筋腱はちゃんと癒合します。

 

 

治療上の問題と注意点は固定期間の衛生面と固定状態の安定です。固定中は固定しているシーネが少し臭ってきます。もちろんシーネは石鹸で洗う事が出来ます。固定中は御自分では固定は外さずに、固定が緩んだりずれたりしないように、1週間に2~3回は通院して頂きシーネと手指を洗浄し、テーピングを交換します。

 

固定を除去した後は、指の第1関節が曲がり難くなるので数ヵ月間その改善に、リハビリとして超音波バスによる機能訓練と関節部のマッサージ等をす。治療期間は若年者で約3カ月程。中・高年齢者で4~6か月程度かかります。

 

比較的、マレットフィンガーは治療さえ適切に行えば、機能障害の残らない疾患です。 

同様の疾患でお困りの方は当院までご連絡ください。

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骨性マレットフィンガーの患者さん

2012年02月12日|マレットフィンガー

先週、骨性マレットの小学3年生の男の子が来院した。受傷原因は野球で捕球の時に突き指してしまったとのこと。受傷してから13日経過しており、痛みも弱く様子をみていたが、第一関節が伸びなくなって心配になり来院された。

 

お母様はただの突き指だと思われたようだが、突き指は病名ではなく、ボールなどで突き指をする行為を指していて、靱帯の損傷もあれば骨折や脱臼もある。

 

また、突き指をした後に、すぐに指を引っ張る行為は患部の損傷を増大させるで絶対にしないで欲しい。応急処置としては、患部をアイシングし、心臓よりも高くして自分の手で適度に圧迫を加え、すぐに来院されることが望ましい。

 

当院は休日にも、急患の対応をしております。

遠慮なく、お電話のうえ、ご来院ください。

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