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マレットフィンガー

腱性マレットフィンガーの患者さんが3名来院中

2014年03月01日|マレットフィンガー

 現在、腱性マレットフィンガーの患者さんが3名来院されている。

 

<症例①>50代の男性で平成25年11月中旬に自転車で転倒され、左手薬指の第1関節(DIP関節)を突き指し受傷。

同時に右手中指のPIP関節も突き指され、同日総合病院救急外来を受診。整形外科医師より左手第4指腱性マレットフィンガー右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂の診断で装具固定とテーピング固定処置を受けられた。

その後は、会社近くの開業整形外科に通院されたのだが、総合病院の整形外科医師からの紹介状が有るにもかかわらず、そちらの整形外科医師はそのままの固定を継続するように指示し、手の指に触れさえして下さらなかったそうで、2回ほど通院され信頼関係が得られず当院に12月中旬に来院された。

 

左手の腱性マレットフィンガーの固定装具は金属のワイヤータイプで、患者さんのDIP関節部にワイヤーがかなり食い込んでいて少し循環障害を起こしていたが、幸い伸筋腱の癒合が得られていたので、簡易的なプラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成して固定を変更した。

患者さんには、固定期間があと4週間程度は必要なことと、全治には3ヶ月以上はかかることをご説明させて頂いた。

また、右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂はかなりの関節部の肥厚が生じていたが、幸い靱帯が癒合し側方動揺も消退しており、屈曲痛はあったが屈曲制限はなかった。超音波バスでの機能訓練と手技療法伸縮性テーピング固定を施行している。

 

経過としては、左手第4指腱性マレットフィンガーは1月初旬にシーネ固定を除去して伸縮テーピング固定として、夜間のみシーネ固定としたが、若干DIP関節部が屈曲してきたので10日程シーネで再固定をしたところDIP関節が充分な伸展を持続できるようになり、シーネ固定を除去して夜間のみシーネ固定を継続して頂いた。屈曲制限も徐々に改善し、2月中旬には夜間のシーネ固定を除去した。

現在はわずかに屈曲制限を残しているが、経過も良好で3月中には右手第3指PIP関節の橈側側副靱帯断裂と共に治癒の見込みである。

 

<症例②>60代女性で平成25年12月中旬に卓球プレー中にラケットか卓球台に右手の小指をぶつけてしまい受傷。痛みはなく様子をみていたが、年末に小指の屈曲変形に気付くも年末年始の忙しさから平成26年1月中旬頃に来院。

右手第5指腱性マレットフィンガーで、左右のDIP関節部にはヘバーデン結節(変形性関節症)を生じていて、やや屈曲変形があった。患者さんには約1ヵ月の放置例でも伸筋腱の癒合が得られるとのご説明と屈曲制限が若干残存することを理解して頂き、プラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成し固定した。

 

経過としては、2月下旬に癒合が確認出来たので、近々シーネ固定を除去し、夜間のみシーネ固定とする予定である。

 

<症例③>40代女性平成26年2月中旬自宅の玄関で長靴にズボンの裾を押し込んでいて左手薬指の第1関節(DIP関節)を突き指し受傷。痛みもなく様子をみていたが、薬指が曲がった状態で伸びないので心配になり、ネットで検索し当院のブログを見て来院。受傷後10日目の来院。

症例①の方と同じ左手第4指腱性マレットフィンガーで、受傷後10日が過ぎてはいるものの、伸筋腱の癒合は得られること、約2ヵ月程度の固定と数週間の夜間固定が必要で、約3ヶ月以上の治療が必要であることをご説明して、プラスチックシーネを患者さんの指の形状に合わせて作成し固定した。

 

 

ここ1~2ヵ月の間に、遠方からのメールで右手第5指の骨性マレットフィンガー右手第5指の腱性マレットフィンガーの患者さんからの相談があった。何れも整形外科を受診後、治療経過が思わしくない症例で大変お困りの様子であった。

骨性マレットフィンガーの男性の方は昨年6月の受傷で、整形外科で加療されて、PIP関節、DIP関節共に関節拘縮を生じていて、今後の治療のご相談であったが、自宅でも出来るリハビリ等をアドバイスさせて頂いた。

 

腱性マレットフィンガーの女性の方は受傷後間もないご相談で、整形外科で金属の装具をされ、整形外科医師より2~3週間後に来院するよう言われ、金属の装具が入浴時に取れてしまい、ご自分で金属の装具の上から包帯をしたら夜間痛で眠れなかったとのこと。受診した整形外科の先生には「運悪く腱がつかなくても小指なのであまり差し支えないですよ」と言われてしまったそうです。

 

確かに、腱性マレットフィンガーは痛みが殆んど無く、受傷後数日を過ぎてから指が曲がっているのに気付く方も多いのが特徴です。しかし、「運悪く腱がつかなくても小指だから差し支えないですよ」と言ってのける整形外科の先生には憤りを感じました。もしも先生自身が腱性マレットフィンガーで同様の症状になられた場合に、運悪く腱がつかなくても小指だから差し支えないとお考えになられるのでしょうか。私は仕事柄かなり手を使いますから、治らないと大変困りますので、不便でも約2カ月の固定に耐えてリハビリもしっかりやると思います。

 

マレットフィンガーの治療は患者さんが約2カ月もの固定による日常生活上の不便さを了承し、納得されて行われます。固定の管理上、1週間に最低2回の通院は必要で、来院時には固定の緩みや皮膚の状態(カユミやただれの有無の確認)指先への血液循環の状態の確認等を行います。そして、伸筋腱の癒合を確認しながら固定の除去時期を検討して、変形治癒に至らぬように経過観察が重要な疾患です。

 

また、長期に渡り固定をしていますと、固定したシーネは汚れもしますから、夏場等では臭いも出てきます。それでは大変困りますので夏場はまめに通って頂き、患部の指が屈曲しない様に手の洗浄を手伝い、シーネも液体石鹸で洗って汚れを落とし乾かします。汚れがひどい時には新しいシーネを作り直します。マレットフィンガーはこのような患者さんに対する配慮が特に必要な疾患と考えております。

マレットフィンガーでお困りの患者さんが居りましたら、遠慮なく当院にご相談下さい。それ程治療時間はかかりませんので、予約なしで来院頂いても大丈夫です。

 

 

大船駅東口より徒歩1分

 

大船接骨院 院長 佐藤和義


 
 
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