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骨折

第26回日本柔道整復接骨医学会 大阪大会での口頭発表を終えました

2017年11月05日|骨折

11月3日(金)4日(土)は第26回日本柔道整復接骨医学会が大阪で開催されました。11月4日(土)を臨時休診し、患者さんには大変ご迷惑をかけてしまい申し訳ありませんでした。

 

当院から11月3日(金)に2題の口頭発表を致しました。以下が口頭発表の要約文です。

 

「柔道整復師の医療コーディネーター的な役割について」

          ―当院の医接連携の実際―  

        

〈キーワード〉

医療コーディネーター、医接連携、保存療法、人工関節置換術、接接連携。

                                  

柔道整復師が開業する接骨院には健康保険の適用上では、保存療法で施療可能な急性、亜急性の骨折・脱臼(応急処置後の施療には医師の同意が必要)・捻挫・打撲・挫傷の患者さんが来院される。しかし、患者さんが接骨院での施療が可能な疾患であるか、整形外科等で治療すべき疾患かの判断は難しく、接骨院では施療が困難な疾患でも、受診される方が多いのは周知の通りである。また、医師の同意を必要とする骨折や脱臼の患者さんで、整形外科での治療ではなく接骨院の施療を希望される方もいる。他には高齢化に伴う変形性の関節疾患の増加で、変形性股関節症、変形性膝関節症の患者さんが接骨院を受診される場合もある。整形外科領域では人工関節手術適応の患者増加にともない、人工関節の専門病院が全国に増えている。

このような背景から柔道整復師の日常の施療における医接連携は、患者さんにとって柔道整復師が医療コーディネーター的な役割を担う事が多いと考える。当院では医科へ年間約120件の診察依頼を行い、医接連携のもとに施療を進めるように心掛けている。

今回、最近数年間に当院から医科・接骨院へ診察依頼した患者さんの経過を主な疾患別に統計調査を行った。主に医科へ診察依頼した変形性股関節症で、人工股関節全置換術に至った患者さんの経過を中心に報告する。


さかのぼること16年前になりますが、平成13年に変形性股関節症のYさんを人工股関節の手術が可能な医療機関にご紹介しました。Yさんは平成元年に右股関節の人工股関節手術を受けられていたのですが、10年以上が過ぎて痛みが出てきてしまい、再手術を依頼したところ、先に反対の左股関節の手術を施行され、翌年、難易度の高い右股関節の人工股関節再置換手術をされました。現在81才になられますが、両股関節に痛みは無く、水泳と水中歩行を週に2回程継続されております。

Yさん以降、10名以上の方から股関節痛の相談を受け、紹介先の医療機関で人工股関節手術を受けられた方は6名以上おります。

お電話等で経過の聞き取り調査をしたところ、お一人だけ傷口に軽度の痛みの後遺症を残された方がおりますが、その他の方は経過が良好で、ウォーキング等を楽しまれております。オペをして下さった整形外科の先生方には感謝しかありません。

 

 

「右鎖骨外端部骨折と複数の肋骨骨折を合併した

                   高齢女性の一症例」

  

〈キーワード〉 

高齢者、一人暮らし、多発骨折、保存療法、外転位装具固定

 

【背景】近年、高齢者の骨折は増加傾向にあり、大腿骨頸部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折、脊柱圧迫骨折に好発する。(高齢者の四大骨折)今回、右鎖骨遠位端骨折複数の肋骨骨折を合併し、患者さんの希望により保存療法で施療し、経過良好に治癒したので考察を加え報告する。

 

【対象】84歳女性、一人暮らし、胸椎後彎著明、階段で70段上の高台の一軒家に居住。自宅の階段で転倒し負傷。受傷翌日、近所に住む家族に付き添われ来院。隣接するクリニックでX線検査を依頼し、右鎖骨遠位端骨折、複数の肋骨骨折(3ヶ所)を認めた。利き手側の右鎖骨遠位端骨折と複数の肋骨骨折の合併で、一人暮らしのため入院加療を促したが、患者さんの強い希望により通院で施療した。

【結果】外転位装具固定を施行し、超音波観察装置の画像とX線検査画像の併用で仮骨形成、骨癒合の状態を経過観察し、僅かな短縮転位は残したもののADL(日常生活動作)上問題なく16週と3日で治癒した。

【考察】入院加療が必要であろう右鎖骨遠位端骨折複数の肋骨骨折を合併した症例を、患者さんの希望により通院施療し経過良好に治癒した。患者さん、家族と充分に話し合い(インフォームドコンセント)、家族の付き添いの協力を得て、良い結果を得られたと考える。外転位装具固定によりQOL(生活の質)の低下を最小限にし、X線画像と超音波観察装置の併用で仮骨形成、骨癒合の状態を随時把握できたことにより、固定装具や鎖骨バンド等の除去のタイミングを判断し、肩関節拘縮に至らずに治癒したと考える。

 

この発表の前に患者さんに電話でお話を聞くことが出来ました。現在も独り暮らしで以前と変わらず家事全般をこなし、元気に暮らしていらっしゃるとのことで、大変嬉しく思いました。

 

 

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