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マレットフィンガー

日本柔道整復接骨医学会で腱性マレットフィンガーの口頭発表を終えました。

2016年11月22日|マレットフィンガー

平成28年11月19日(土)宮城県仙台市の国際センターに於いて、腱性マレットフィンガーの口頭発表を致しました。

 

以下が要約文になります。

 

「腱性マレットフィンガーの患者さんを柔道整復師が施療する意義について」

Key Word:固定具の問題点、固定期間中の物理療法、夜間固定、日中のテーピング固定

 

【背景】腱性マレットフィンガーは痛みがほとんど無いにも拘らず6~8週間の全日の固定を必要とし、その後も数週間以上の夜間固定をしなくてはならず、受傷された患者さんにとっては厄介な疾患である。当院ではホームページのブログに腱性マレットフィンガーの症例の経過を患者さんから了解を得て掲載している。そのため、ここ数年は常時10~20名前後の腱性マレットフィンガーの患者さんが市外や県外から通院されている。また、全国から電話による問い合わせの相談も多い。通院中の腱性マレットフィンガーの患者さんの殆どの方は整形外科からの転療例で、固定装具やテーピングによる圧迫での痛みや痺れ、再診までの通院間隔が空くため(4週間後や8週間後の再診)の不安を訴えられている。また、初診の際に医師から「腱性マレットフィンガーは骨性マレットフィンガーに比べ後遺症を残しやすく完治はしない」と説明を受けられた患者さんが多い。そこで、固定装具やアルフェンスを用いた固定方法の問題点等を検証し、当院で施行しているレナサームシーネとアクションテックスを併用した固定方法と共に比較検討したので考察を加え報告する。【対象】最近数年間に来院された50才未満の新鮮な腱性マレットフィンガーの患者さんに施行した固定方法と施療経過。【結果】50才未満の新鮮な腱性マレットフィンガーの患者さんに対して、適切な固定と固定期間、早期からの物理療法等を施行することで90から100%の機能回復が認められた。【考察】6~8週間の固定期間中に血管分布の少ない指先への強い圧迫(特にDIP関節の背側部)は伸筋腱の癒合を妨げる要因であると推察する。固定期間中の物理療法は患部の浮腫を軽減させ、末梢への血流を改善させるため、組織修復には欠かせない要素である。腱性マレットフィンガーは医師の同意を必要とせず、柔道整復師が丁寧に施療すれば概ね完治する疾患である。

 

 

下記写真は今回の発表で了解を得て使用させて頂いた、30代の男性の症例で当院受診時の固定状況です。

 

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他医でこのような固定を3週間程され、不安になり来院されました。

第二関節(PIP関節)が40度程しか曲げられない状況です。この固定を6~8週間したら確実に第二関節(PIP関節)の屈曲制限(関節拘縮)を生じてしまいます。幸い3週間で来院下さったので、第一関節(DIP関節)のみの固定に変更し、8週間が経過しました。

 

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 写真のように経過は良好です。

 

以前、同様な固定を8週間されて、関節拘縮後の後遺症(屈曲制限と伸展制限)を残して治療を中止した患者さんが数十名おられます。また、現在加療中の患者さんも数人おります。

最近は早い時期に、当院のホームページを観て転療頂くので、幸い辛い後遺症を残される患者さんが減少してきております。

 

とは言え、先程の様な固定で日常生活の不自由さが増し、治療期間が延長され長期に至ってしまいます。その上で後遺症も残ってしまいます。

通常なら4~6か月で治癒できるものが、1年以上掛かってしまう方もおり、お気の毒です。

また、マレットフィンガーだけでなく突き指損傷による、骨折、脱臼、靭帯損傷、腱損傷等は指の関節構造が複雑で繊細なため治りにくい面が有ります。

 

※ 「突き指だから大丈夫」「たかが突き指くらいで練習を休めない」等々、よく耳にしますが、突き指は病名ではありませんボールなどで突き指をした結果、骨の損傷、靭帯断裂、靭帯損傷、筋・腱損傷等が生じて、骨折、脱臼、捻挫、打撲といった病名が付けられるのです。

そして、骨折は重症で治りが悪く、捻挫や打撲は軽症で早く治るという感覚をお持ちの方が多いですが、そうとは限りません。年齢や性別、負傷部位によって様々な経過を辿ります。指の側副靭帯損傷でも数か月から年単位かかる場合も有ります。

 

指の怪我(外傷)は適切かつ早期の固定とリハビリ(機能訓練)・物理療法等が必要不可欠です。軽症とは思わずに早めの受診をお勧めします。

 

 

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