2015年03月17日|小児肘内障
仕事を終え、入浴後に夕飯(好物のハヤシライス)を食べていると午後10時少し
前に接骨院の電話が鳴り
「接骨院ですか?」と女性の声と受話器の向こうでは子供の大きな泣き声が!
私が「大船接骨院です」と答えると
「子供の手が抜けたようなのでどうしたら良いですか?」と言われ
「これからすぐに来られますか」と聞くと
「引っ越してきたばかりでそちらの場所がよく解らないのですが」と言われた。
住所をお聞きすると大船駅の観音様側の玉縄の方であった。ご主人はまだ会社から帰宅してはいないそうで、車を出せないためベビーカーで来院されるとのこと。駅までは徒歩10分程とのことだったので当院への道順をお教えした。来院されるまでには15分ほどは掛かると思い電話を切り、勤務柔道整復師の杉本に知らせて、急いで残りのハヤシライスを食べて治療室に降りた。
電話を頂いてから15分以上を過ぎても来院されないため、迷われているかと駅の方に向かって歩いて行くと、小さな男の子を乗せたベビーカーを押している女性とその横にはお父さんと思われる男性に遭遇した。
ベビーカーに乗った男の子を見ると左手が真っ直ぐに伸びてベビーカーの中にあり、右手は肘を曲げて何かを持って動かしていた。
この男の子に違いないなと思っていると奥さんと目が合い
「大船接骨院ですが、先程お電話を頂いた...?」と私が聞くと
☞実は電話で名前がよく聞き取れなったのですが。
「そうです。遅くにすみません。」と奥さんが答えられた。
ところで何でお父さんがいるのかな?という私の疑問をすぐに察してくれたのか
奥さんが「駅でばったり主人と会いまして」と言われて私の疑問は解かれ
「それは良かったですね」と私は答えた。
夜の10時ともなると大船駅周辺には酔っ払いが多く、治安もあまり良くないのでお二人の帰り道が心配だった為、ご主人が来てくれてほっとしたのです。
接骨院に着くと杉本に2才の男の子の小児肘内障の整復をお願いした。実は私は夕食の時に晩酌で少しビールを飲んでいたため杉本にお願いしたのです。
脱臼の受傷原因はお母さんが息子さんの背後から手を一緒に洗っていて、お母さんが男の子の左手を引っ張ってしまったとのこと。
以前に1度引っ越してくる前に左肘を脱臼して、接骨院で整復してもらったことが有り、小児肘内障は今回が2回目だった。
杉本がアンパンマンの音の出るおもちやであやして整復をすると一瞬泣かれたが、もう泣きつかれていたためか、整復後はすぐに泣き止みアンパンマンのおもちゃに触れて、普通に左手も使うようになった。
ご両親に一通りの注意事項をご説明して、待合室で見送りながら男の子に手を振ると振り向いてくれてずっとバイバイをしてくれた。
「子供はやっぱり2,3才ごろが一番かわいいなぁ」と杉本と話して自宅に戻った。
また、手が抜けないように気を付けて下さいね。
大船駅東口徒歩1分
急患応需 大船接骨院
☎0467-45-6700
小児肘内障(肘の脱臼)の2才の男の子が深夜に急患で来院の続きを読む
2015年03月11日|マレットフィンガー
3月11日(水)朝の準備をしていると7時50分ごろに電話が鳴り、整形外科で腱性マレットフィンガーの治療を受け,上手く腱が着かなかったので診てほしいとの連絡を頂いた。今、車で接骨院に向かわれていて、30分程で到着されるとのこと。
8時20分ごろに40代の男性の患者さんが到着された。
患者さんに今までの経過をお聞きすると1月22日にバスケットボールで軽いパスを受けた際に負傷されて、痛みもなくプレーを続けていると、ボールの空気が抜けたような感覚を覚え、ふと左手の中指の第一関節が曲がってしまい伸びなくなってしまったことに気付かれた。翌日、整形外科を受診されてX線検査上骨折はなく、腱断裂の腱性マレットフィンガーと診断され、固定をされたとのこと。1週間ごとに通院され5週間と4日程(39日間)で固定を取ったところ、元のように第一関節が曲がってしまい担当医師より「上手く着かなかったようなので、真っ直ぐに治したいのなら手術をするしかないようだね。」と言われてしまい、当院のホームページを見て連絡を下さった。下記の写真は固定除去後、1週間固定をせずに過ごされた来院時の状態である。
DIP関節が80度ほど屈曲しており、関節周囲には発赤や浮腫が生じていた。痛みもあるそうで「痛みだけでも治したいので」と希望され来院された。
まだ、受傷から6週間も過ぎておらず、39日間で固定を取るのは早過ぎたことをご説明し、全日の再固定をお願いしました。
翌日、浮腫が軽減され固定が緩んだ様子で再来院された。真っ直ぐに指を伸ばしてもらい固定を取ったところ、下記のように可なり真っ直ぐになりました。
PIP関節が過伸展しているのと、DIP関節の肥厚の膨らみで曲がっているようには見えてしまいますが、たった一日でこのように改善されてしまいます。
本当に腱が上手く着かなかったのでしょうか?
伸筋腱はもともと力が弱く、癒合後すぐは伸展力が特に弱いため少しの時間は真っ直ぐになっていても、日中は伸縮性テーピング固定程度はしませんとすぐに第一関節は曲がってきてしまいます。
曲げることの多い日常生活において、患者さんの職種や趣味等によっては、ある程度の期間は伸縮性テーピング固定を継続しないといけませんし、夜間固定に関しても数週間から数か月を必要とします。
患者さんの価値観によると思うのですが、陳旧性の腱性マレットフィンガーは、
①患者さんが第一関節が見た目で真っ直ぐな状態を重要視されるか
②患者さんが第一関節の曲がり具合を出来るだけ早く改善されたいか
によって治療方針が決まります。
上記の男性患者さんは取り敢えず+4週間の全日固定をお願いして、物理療法を加えて経過で夜間固定に変更する治療方針を提案しました。
腱性マレットフィンガーは患者さんの希望をお聞きして、固定期間や物理療法等を考慮しなくてはならないので、患者さんと治療者側がよくディスカッションして、理解し合い治療を進めていくことが重要な疾患と考えます。
陳旧性の腱性マレットフィンガーは完治は難しいですが、日常生活に支障のない程度には改善が可能な疾患です。時間は掛かりますが、諦めずに適切な治療を受ければ7~8割の改善は見込めますので頑張りましょう。お大事に。
大船駅東口徒歩1分
☎0467-45-6700
大船接骨院
バスケットボールで受傷された腱性マレットフィンガーの男性が来院の続きを読む