2016年08月27日|マレットフィンガー
現在、平成28年3月21日に右手第3指腱性マレットフィンガーを受傷された40代男性が通院中です。負傷原因はズボンを脱ぐ際に指を引っ掛けてしまったとのことでした。整形外科でアルフェンス固定を6週間された後に夜間固定もなく、全日固定を除去されてしまいました。来院時、最大伸展時約-30度の屈曲変形と第一関節(DIP関節)および第二関節(PIP関節)に屈曲制限も呈しておりました。発赤、浮腫も著明で屈曲痛も有りました。
☞ 5月14日当院来院時。下記写真参照
本日、受傷から約5ヵ月が経過し、下記の写真のようにかなり改善されました。
第一関節(DIP関節)の最大伸展時約-5度、最大屈曲は健側70度に対して60度まで改善されました。また、第二関節(PIP関節)の屈曲制限はほぼ改善されました。
川崎の方から通院頂き、仕事もお忙しいため月に2~3日の通院ですが、経過は順調です。まだ、第二関節(PIP関節)の屈曲痛をわずかに残してはおられますが、可動域制限はあと一息のところまで来ました。
利き手の中指で不自由だったとは思いますが、ほぼ後遺症なく治癒できそうですので、あともう少し通院頂ければと思います。
くれぐれもお大事に。
大船駅東口徒歩1分
急患応需
☎ 0467-45-6700
大船接骨院
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2016年08月19日|脱臼
午前中の10時過ぎに「転倒して右肩を脱臼したようなので」と40代の女性が来院されました。右腕は全く動かせない様子で初診申込み用紙にも記入が出来ず、受付さんが代筆しました。
子供の頃に肘の脱臼(小児肘内障)の経験があるそうですが、 今回が初めての肩関節脱臼とのことでした。
丁度、患者さんが空いてきたところだったので、すぐに治療室に入って頂きベッドへ上向きに寝て頂きました。そして、整復する模様をデジカメで動画撮影させて頂きました。
患者さんが「整復は痛いですか」と聞かれたので「昨年受講したセミナーで習得した、ほとんど痛みの無い整復をします」とご説明して、呼吸法でリラックスさせながら、整復を行いました。驚いたことに、整復動作を始めてからわずか10秒ほどで整復を終えました。
☞ 今までは挙上法(ゼロポジション法)で整復をしていて、30秒から1分ぐらい
は時間を要していたと思います。これも呼吸法を使い、ほとんど無痛で整復
は出来ていました。
以前、急患で早朝に来院された女性は習慣性(既往歴5回)の右肩関節脱臼でしたがゼロポジション法ですんなり整復されました。その際に「今までで一番痛くなかったです」と言われたのは印象的でした。
脱臼の整復では患者さんの緊張状態をいかにリラックスさせて、身を任せて頂けるような状況を作るのが大切ではないかと思っております。
幸い患者さんはレントゲン検査上、明らかな骨折の合併も無く、固定処置をしたら痛みは殆んど消退したとのことでした。
暫く利き手が使えず不自由だとは思いますが、初期の安静はとても大事です。再脱臼をしないように気を付けて生活して頂き、習慣性にならないようにしっかりと治療しましょう。くれぐれもお大事になさって下さい。
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2016年08月17日|マレットフィンガー
来る11月19日(土)、20日(日)に宮城県仙台市で開催される第25回日本柔道整復接骨医学会での口頭発表が決定致しました。
第23回、24回に引き続き、今回は「腱性マレットフィンガーの患者さんを柔道整復師が施療する意義について」というテーマで発表致します。
腱性マレットフィンガーでお困りの患者さんが多い中、当院では新鮮例、陳旧例共に数多くの症例を経験させて頂き、患者さんとの二人三脚で良好な結果を残しております。
症例発表に際しご協力頂きました患者さんには、心より感謝申し上げます。
今回が腱性マレットフィンガーの集大成の発表と考えております。
発表まで、もう暫く経過の外観写真等のご協力をお願いするかもしれませんが、その節は宜しくお願い致します。
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2016年08月06日|小児肘内障
8月5日金曜日の午後7時前の診療受付が終わる前に、2才の娘さんのお母さんから娘さんが左肘の脱臼(小児肘内障)をしたようなのでこれから受診したいとの電話が有りました。しばらく待っていると、午後7時15分過ぎに抱っこひもの中で疲れて寝ている女の子とお母さんが来院されました。
今日は大船駅の西口の方で盆踊りがあったらしく、茅ヶ崎の方から親子で来られていて、その帰りだったそうです。左肘の脱臼(小児肘内障)の経験は初めてで、負傷の原因をお聞きすると、盆踊りの帰りに娘さんをお母さんがおんぶしていて、地面に降ろそうとした時に左手が引っ張られてしまったようで、急に泣き出して左手を使わなくなったとのことでした。
娘さんが眠っている間に整復してしまおうと思い、待合室の椅子にお母さんと隣り合わせにそっと座ったのですが、すぐに目を覚ましてしまいました。白衣を観てぐずってしまったようだったので、すぐに左肘をそっと屈曲して回外し整復を終えました。整復音を右母指に触知し、お母さんに整復された事を伝えました。整復の瞬間に少し泣かれましたが、アンパンマンの音の出るおもちゃを持ってきて渡すとすぐに興味を示して、すぐに泣き止んでくれました。そのまま左手を使うようになり、左手でアンパンマンの音の出るおもちゃを掴んで遊んでいました。
再脱臼をしないように、お母さんには手首ではなく上腕部を持って引くようにすれば、子供さんの肩関節は脱臼しない事を伝えて治療を終えました。
小児肘内障(肘の脱臼)の豆知識
① 小児肘内障は0才から5才ぐらいまでに多く発症します。
② 小児肘内障は習慣性にもなりますが、後遺症を残さない輪状靭帯の亜脱臼
です。
③ 整復をして治療は1回で終わりです。
④ 再脱臼に気を付ければその日に入浴しても構いません。
☞タオルでお子さんの身体を拭くときには気を付ける必要が有ります。
⑤ 転倒による受傷か、手を引っ張ったことによる受傷かを見極める必要が有り
ます。
(転んで手をついた場合には、橈骨遠位端骨折や上腕骨遠位端骨折の可能性
が有ります)
しかし、遊んでいて、転んでもいないのに子供さんが急に手を使わなくなった
場合には小児肘内障の可能性があります。
受傷の原因には以下のようなものがあります。(当院の来院患者さんの例)
・ご両親と手を繋いで歩いていて子供さんを高い高いして手を引っ張ったとき。
(お父さんとお母さんの身長差や手を引く腕力の差で生じます)
・お父さんまたはお母さんが子供さんが転びそうになって手首を引っ張ったとき。
・子供同志(兄弟や友達)でおもちゃの取り合いや引っ張りっこをしたとき。
・兄妹げんかでお兄ちゃんが妹さんの手を引っ張ったとき。
・椅子やソファーから後ろ向きでお子さんが降りようとしたとき。
・子供さんが滑り台で滑っていたら、身体の方が先に前へ進んでしまい、捕まっ
ていた持ち手で引っ張られてしまったとき。
・子供さんが転びそうになり、自分の手でどこかに捕まったとき。
・入浴後に親御さんがお子さんの身体をタオルで拭いていて手を引っ張って
しまったとき。
以上の様々な原因が有りますが、お子さんが急に泣き出すと慌ててしまうのも無理はありません。お子さんが泣き出す前の状況を冷静に思い出して頂き、記憶にとどめておいて下さい。現場を見ていなかったとしても、何をして遊んでいたかだけでも解れば大丈夫です。
☞ご両親がお子さんの負傷の原因を明確にされていると診断に役立ちます。
小さなお子さんは、身体が柔軟で意外と転倒しても怪我をしにくいものです。しかし、転倒後に泣き止まず暫く泣き続ける場合には、骨折の可能性を否定できないことも有ります。
小児肘内障の場合には、脱臼をした瞬間には痛みが有り、子供さんはとても泣きますが、暫くすると痛みは軽減又は消失してしまい泣き止みます。それでも、手のひらを返す動作を嫌がり、肘を深くは曲げられません。そのため、泣き止んだあとも患部の腕を使おうとはしません。
その様な状態が見受けられる時は小児肘内障の可能性が高いため、整復をして元に戻してあげる必要が有ります。
小児肘内障は負傷後から多少の時間を置いても問題は有りません。電話でお子さんの様子を伺い、骨折の可能性が有れば最寄りの医療機関へ行かれるようにご指示もいたします。負傷の原因から肘の脱臼(小児肘内障)と判断出来れば、外出先から治療室で待ち合わせをして治療を致します。
当院は、急患に対応しておりますので遠慮なくお電話ください。
不在の場合でも、留守番電話で私の携帯電話番号をお知らせ致します。
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