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アクセス:JR東海道線・横須賀線・根岸線 大船駅東口 徒歩1分
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打撲

大雪で転倒された患者さんが多数来院

2013年01月20日|打撲

1月15日()は前日の積雪の影響で、始業前には接骨院前の除雪作業で汗流しました。とても寒かったのに薄着でも流れるほど汗が出てきて、とても清々しく感じました。

 

現在、通院中の患者さんが転倒して治療患部が増えても困りますし、当院の前を通られる方が転倒して怪我をされないように雪を排水溝に集めては、上から踏んで落としました。ついでにお隣の医療ビルの前も除雪して、従業員2人と接骨院前の歩道部分の雪は殆んどが除雪出来ました。

 

さて、1月14日()の「成人の日」はかなりの積雪だったので、翌日の15日()の診療は暇だろうと思っていたのですが、不運にも雪で足を滑らせ転倒された新患の患者さんが5人も来院され忙しい一日になりました。

 

怪我の部位は、膝関節の打撲の方が1人。腰部の打撲の方が一人。手首の骨折(橈骨遠位端部陥入骨折) の方が3人でした。何故か全員が女性でした。

 

左膝部打撲の患者さんは、友人宅で新年会をされてお酒を飲まれ、それ程の量を飲まれたわけではないそうですが、友人宅から帰る時に玄関先で転倒されて膝を着いたとのことで、転倒された記憶もなく、鵞足部の打撲で痛みも強く跛行を呈していました。冷却とテーピング等の固定処置を施しました。

 

腰部打撲の患者さんは70代の方で新年会に着物を着て出席されて、会場からの帰りに雪で足を滑らせ転倒し、尻もちは着かず腰の帯の所を強くぶつけた様子でした。寝返り時の疼痛や起立痛も強く腰椎の圧迫骨折や横突起骨折の疑いがあったため、冷却、固定後、翌日総合病院の整形外科へご紹介し、X線検査の結果、明らかな骨折所見は認めませんでした。

 

手首の骨折(橈骨遠位端部陥入骨折)の患者さんは、何れも雪で滑り転倒した際に、とっさに手を着き受傷されたものでありました。 

 

午後の初めに来院された70代の患者さんは、早朝に出先で転倒され、近くに総合病院があったので、朝一番で受診されました。整形外科医師よりレントゲン検査上でははっきりと骨折は認められないので、痛むようなら1週間後に来院するよう言われたとのことでありました。そして、時間を追うごとに手首の痛みと腫れが増してきたので、電話で当院に問い合わせて来られました。

 

来院された時にはご自分で段ボールの切れ端を副子にして、その上から病院巻かれた伸縮包帯を巻き直されていました。ちょっとサイズが合ってはおりませんでしたが、伸縮包帯よりは痛みも楽であったご様子でした。

 

この患者さんの場合、病院との同日受診で二重診療になってしまうのではと思いましたが、患者さんが前医の処置では痛みが取れず来院された場合には摘要欄にその旨を記入すれば二重診療にはならずに同日受診は認められます。 

セカンドオピニオンと同様です。

 

この患者さんは、外見上、橈骨遠位端部にX線では判断出来ない程度のわずかな陥入骨折が健側と比べてあったため、冷却後、整復固定処置を施しました。整復固定後は自発痛もかなり軽減しました。

 

同じ頃、書道の先生をされている女性が来院され、(午前中に電話があったのですが)拝見すると明らかに橈骨下端部に短縮変形があり、外見上整復が必要あると判断出来ました。

 

骨折の同意をお願いしているクリニックに診察を依頼したところ、X線上橈骨遠位端部に一部陥入を含んだ短縮変形を認める橈骨遠位端部陥入骨折でした。

 

積雪の割には連休明けで患者さんも多く来院されていたので、長めに冷却をして、通院中の患者さんを先に治療させて頂いてから、整復固定処置をさせて頂きました。整復の際は痛みを訴えられましたが、固定後は自発痛もかなり軽減しました。

 

3月には書道展があるとのことで、幸い左手で良かったのですが、早く治らないと展示会の作品が書けないので、困ってしまうとのことでした。書道の時には前傾して左手で身体を支えなくてはならないので、左手とはいえ早急に治らなくてはなりません。しかし、書道展までは日が有りますし、シーネ固定は1ヵ月ほどで取れますので、問題はないとお伝えしました。

 

最後に、診療時間終了間際に、朝の3時頃雪道で転倒されて、様子を見ていたところ段々と痛みが増してきた患者さんが来院されました。

 

左手関節橈側手根関節部の捻挫症状と橈骨遠位端部にわずかな陥入骨折認める所見でした。冷却後、整復(牽引)固定処置を施しました。整復(牽引)固定後は自発痛もかなり軽減しました。何れも骨折部が重なり合う陥入骨折で、転位の強い方以外は比較的自発痛軽度で、整復動作での疼痛も軽度でありました。 

整復固定処置により、ほとんどの方に夜間痛は有りませんでした。

 

高齢女性の手首の橈骨遠位端部骨折は骨密度の低下により、その多く骨折部に陥入を認めます。また、手を着いた際の強度と角度によりレントゲン検査上、骨折線が認められないことも多くあります。

 

外見上、健側と患側の手関節の橈骨茎状突起と尺骨茎状突起の位置関係を比較することが重要です。短縮変形が軽度ですと捻挫の診断となってしまい、固定処置もなく湿布や伸縮包帯程度では自発痛が強くなってしまう場合がかなり有ります。

 
ある程度のご高齢の方が転倒されて、手を着いて手首を怪我された場合は、
手関節捻挫(関節部の靱帯などの軟部組織損傷)よりも橈骨遠位端骨折症状の方が殆んどです。 若年者によくある不全骨折(ひび)は見られず陥入骨折が多く見られます。

 

陥入骨折骨膜下骨折で自発痛は軽度ですが、早めに受診して頂いた方が良い疾患です。


 
 
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