2012年05月28日|脱臼
今日の午前中、男性の右肩関節前方脱臼の患者さんが来院した。患者さんには以前から脱臼癖があり、当院に5回以上右肩関節脱臼で来院されている。
前回が平成15年で、9年ぶりの脱臼だったため、痛みも強くお辛い様子だったが、整復後は激痛も収まりアイシングの後、固定を施した。
ちなみに、脱臼した患部は冷やすと整復がやり辛くなるので、冷やすのは整復後に限ります。骨折、打撲、捻挫、挫傷の場合は、すぐに冷やすことが大切です。
さて、患者さんの傷病履歴を見ると平成9年から2年ごとに脱臼されており、習慣性脱臼と言えます。年齢は60代で、年齢的には脱臼は起こしにくいとも言えます。今回の受傷原因を患者さんに聞くと、よくは覚えていないらしく、酔って寝ていて寝返りを打ち脱臼されたようだ。想像だが。
以前も、夜寝ていらして脱臼されたことがあり、痛みが強く往診を依頼されたことがあった。習慣性脱臼ならば寝返りしたぐらいで脱臼することも、あり得ないことではないと考えられます。
脱臼は、気をつけていても突然起こります。
顎関節脱臼、肩関節脱臼、肘関節脱臼、指関節脱臼等。
当院は休日、時間外でも急患の方に対応しております。
お電話の上、お越しください。
2012年05月20日|マレットフィンガー
5月19日(土)40代の男性で右手の第3指の腱性マレットフィンガーの患者さんが私のブログを見て来院された。
受傷原因はソフトボールのフライをキャッチする際に突き指をされたためで、受傷の翌日に会社のビル内にある整骨院に行かれたが、マッサージ専門で固定処置をしてもらえなかったとのこと。御自分でテーピング固定をされ、パソコンで検索されたところ、私のブログ記事が目に留まり電話をされてから来院された。
ちなみに、腱性マレットフィンガーでは、指伸筋腱の断裂により、指の第一関節が屈曲位をとり、自動的には伸展不能の状態になります。来院された患者さんは、仕事でパソコンを使うそうなので、少し不自由かとは思いますが、6~8週間固定を辛抱して頂ければ、指伸筋腱はちゃんと癒合します。
治療上の問題と注意点は固定期間の衛生面と固定状態の安定です。固定中は固定しているシーネが少し臭ってきます。もちろんシーネは石鹸で洗う事が出来ます。固定中は御自分では固定は外さずに、固定が緩んだりずれたりしないように、1週間に2~3回は通院して頂きシーネと手指を洗浄し、テーピングを交換します。
固定を除去した後は、指の第1関節が曲がり難くなるので数ヵ月間その改善の為に、リハビリとして超音波バスによる機能訓練と関節部のマッサージ等を行います。治療期間は若年者で約3カ月程。中・高年齢者で4~6か月程度かかります。
比較的、マレットフィンガーは治療さえ適切に行えば、機能障害の残らない疾患です。
同様の疾患でお困りの方は当院までご連絡ください。
2012年05月10日|小児肘内障
今日、昨年の11月の夜間に小児肘内障で来院したことのある、3歳の男の子が自宅で転んで、左肩を痛めたと来院された。
お母さんが言うには転んだ際、コンロに左肩をぶつけた様で、左腕を使わなくなっているとのこと。手を引っ張ったりはしていないらしい。転んだあとに少し昼寝をして起きたら、やっぱり左腕を痛がり使わないので連れて来られたようだ。
お母さんは息子さんが転んだ状況をよく見ていたわけではないらしい。転んだのなら、左鎖骨骨折、左上腕骨顆上骨折、左前腕骨骨折等を考慮し、慎重に触診をしていったが、どこにも異常は見られなかった。しかし、男の子は痛みを訴えながら大粒の涙を落として泣きだして、だんだんとボルテージを上げていく。
左腕をよく観察してみると、前腕を回内した状態で、右手で左手首を持って離さないでいる。どうも様子からは小児肘内障らしい。アンパンマンのおもちゃで気を引いている隙に前腕を回外した。すると整復音を指先に触知し、その後男の子は左手を使いだした。転んだのかもしれないが、お母さんが抱き起こす時に拍子で左手を引っ張ったのかもしれない。
また、再脱臼しないよう、お母さんに手首を引っ張らないよう促した。小児肘内障は成人の肘の脱臼とは異なり、整復されれば一度で治ります。輪状靱帯の亜脱臼と言われています。幼少期を過ぎれば、脱臼しなくなりますが、稀に小学校の低学年でも脱臼します。2歳から5歳くらいが好発年齢でしょうか。
お子さんが、小児肘内障のような場合は、時間外でもお電話下さい。
乳児医療証と保険証をお忘れなく。
2012年05月07日|アキレス腱断裂
5月6日よりアキレス腱断裂の患者さんが来院されている。以前、私が書いたアキレス腱断裂の保存療法のブログを読まれて5月5日に電話で相談されてきた。
50代の女性の方で、(電話の声では40代と思ったのだが)5月4日にテニスで負傷されて、総合病院の救急外来に行かれ応急処置はされていた。御家庭の諸事情から入院が出来ないため観血療法(手術)ではなく、通院治療が可能な保存療法を望まれた。
初診の日は、アキレス腱の断裂した断端が約3,5cm離開していた。完全断裂である。しかし、整復と固定を施し、翌日にはアキレス腱の離開は約1cmになり、かなり整復されていた。
このまま、約6~8週間物理療法と手技療法を加えながら固定すると、アキレス腱は自らの力でちゃんとくっ付く(癒合する)のであるから、人体の神秘である。今後、追って経過報告したいと思います。
アキレス腱断裂の保存療法を希望され患者さんが来院の続きを読む